政府は1日、日本銀行の審議委員に元東京電力副社長の森本宜久(よしひさ)氏(66)を任命した。会見した森本氏は、デフレ脱却に向けて「政府の新成長戦略を実らせるため、日銀としても金融界を通し(経済)全体が活性化される対策が必要だ」と述べ、日銀と政府との連携が重要という認識を示した。 森本氏はデフレ脱却には「潜在的な需要を掘り起こしていくことが大事」と指摘。そのうえで日銀による成長分野への新貸出制度について「金融業界の(経済)活性化にむけた取り組みを刺激する意味で非常に大きな意味を持つ」と述べた。景気の現状については「緩やかに回復しつつある」との日銀の景気判断を踏襲。ただ、景気を下ぶれさせる要因として欧州の財政問題を挙げた。 森本氏は東京電力で営業部門などを担当。2007年6月から3年間、電気事業連合会副会長を務めた。日銀の審議委員(定員6人)は総裁人事を巡る混乱のあおりで定員割れだったが、