米国の各州が保釈制度の見直しに動き始めた。保釈金を積めば刑事裁判の被告が公判まで自由の身になれる現行制度は、結果的に、保釈金を支払う能力のある金持ちを優遇する一方、支払いの能力のない庶民を不必要に長期間拘束し、法の下の平等に反するとの批判が高まっているためだ。ニューヨーク州は今月、新たな保釈制度を導入。カリフォルニア州も今秋に実施する州民投票で新制度の制定を目指す。米国内の動きは、日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告の国外逃亡などで揺れる日本の保釈制度を巡る議論にも一石を投じそうだ。 保釈金制度を廃止ニューヨーク州の新たな制度は、殺人など凶悪事件の被告を除き、裁判所が保釈の条件として被告に保釈金の支払いを課すことを原則禁止した。要件を満たした被告は、保釈金を支払う代わりに、公判に出廷することを約束する誓約書を裁判所に提出すれば保釈される。ただし、裁判所の判断で監視付きの保釈になったり、出