5月21日のエントリーで、アメリカにおける所得階級別物価上昇率の研究を紹介した。その際、永濱利廣氏の比較的短期間における日本の分析を紹介して、「もっと長期の研究があれば」、と書いた。一橋大学経済研究所の北村行伸教授が分析していることを、日々一考ブログから知った。この論文(pdf)だ。 北村教授の論文によれば、1986年から1994年くらいまでは、日本でもアメリカと同様、低所得者が購入する商品の物価上昇よりも高所得者が購入する商品の物価上昇率が高かった(正確に言うと北村論文では、支出階級別。ただし、ここでは単純化のため所得階級と同じように議論する)。しかし、1995年から99年にかけては、その関係が逆転し、高所得者が購入する商品の物価上昇率の方が、低所得者のそれよりも低くなっている。ところが、2000年から2005年にかけては、所得階級と明確な関連はなくなっている。強いていえば、中位所得層の
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