地球温暖化が進めば、100年後には東日本以西の太平洋側で桜(ソメイヨシノ)が開花しなくなる−。気象情報会社のウェザーニューズ(東京)が今後の気温上昇と桜の開花状況をシミュレーションしたところ、最悪パターンとしてこんな結論が導き出された。気温が全般的に上昇し、開花に必要な冬の寒さがなくなることが原因という。 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のデータや同社が過去6年に集めた全国約2万地点の開花情報を基に考えた。 100年後の平均気温が最大7度上がるパターンでは、花芽(かが=つぼみになる芽)が目覚める「休眠打破」に必要な冬の寒さが次第になくなり、植生が変化。今から35年後の2044年に早くも八丈島で咲かなくなり、74年に鹿児島、81年に和歌山、87年に宮崎、98年に静岡、2107年に愛媛、2109年に東京と、開花しない地域が広がっていくという。