《自画像》1929年 東京国立近代美術館蔵 (C) Foundation Foujita / ADAGP , Paris & JASPAR , Tokyo , 2017 E2833 「エコール・ド・パリ」と呼ばれる、20世紀はじめにパリを中心に活躍した外国人画家たち。その中で、シャガールやモディリアーニと並ぶ唯一の日本人が藤田嗣治だった。東京都美術館では、藤田の画業をたどる本格的な大回顧展『没後50年 藤田嗣治展』(2018年7月31日〜10月8日)が開催中だ。 明治半ばに東京で生まれた藤田は、80年を超える生涯の半分をフランスで過ごし、晩年にはフランス国籍を取得、カトリックの洗礼も受けている。生前は2度の世界大戦に遭遇し、5度の結婚を経験するという、波乱万丈の人生を送った藤田。本展を監修した美術史家の林洋子氏は、没後50年という節目の展覧会を、以下のように意味付ける。 「藤田を直接知る関