このところ鉄道の話題がやや手薄になっていることもあり、また時節柄思うところもあって、今日は表題のようなことについて一筆物そうと思います。 青木栄一 『鉄道忌避伝説の謎 汽車が来た町、来なかった町』 吉川弘文館歴史文化ライブラリー アマゾンの画像には帯がないので、特に小生所蔵の帯つきのものをデジカメで撮って取り込みました。 本書の内容はまさに帯に書いてあるとおり、明治時代に宿場の人々が汽車が来ることに反対したので鉄道が町に来ず衰退してしまった・・・といったパターンが典型的な、「鉄道忌避伝説」を一次史料に遡って検証したものです。こういった伝説は、色々な読み物に広く今でも掲載され、知られています。 しかし本書に拠れば、当時各地の人々が鉄道建設に反対したという史料は全く見つからず、逆に誘致運動の史料ばかりが発見され、地図を見てその町を避けたという鉄道の経路を検討すれば、勾配を避けるとか橋の本数を減