◇精神障害者の日常感じて--山本明子さん(48) 06年9月の公開以来、全国各地で自主上映会が続くなど静かなロングランを続けている岡山発の映画がある。実在する岡山市内の精神神経科診療所「こらーる岡山」に通う精神障害者の日常に焦点をあてたドキュメンタリー「キチガイの一日」だ。監督は診療所の事務員として働く山本明子さん(48)。「技術も機材もなかった素人」だったという山本監督が、映画に込めた思いを聞いた。【松井豊】 --制作のきっかけを教えて下さい 米国のマイケル・ムーア監督の「華氏911」が日本で公開された際、映画ウェブサイトの日本語掲示板に「広島や長崎(の被爆のこと)もムーア監督が撮ってくれないか」と書き込みがありました。長崎県出身の私は「日本人として無責任だな」と思っていると、「映画を撮れ」と突然“お告げ”が来たのです。当時ビデオ録画もろくにできなかったのですが(笑)。その後、診療所に勤