「昔に比べたら、観光客ばっかりで神聖な雰囲気はなくなってきちゃってるよね。スターバックスもできちゃって。」 広島旅行で訪れた食事処の女将さんに、明日厳島神社に行くと話すと、返ってきた言葉。観光客が増加、それに追随して観光…
「自炊」の是非 新しい「紙」(1/4) 電子書籍市場は依然として立ち上がらないが、出版社がもたもたしているうちに紙の書籍や雑誌を裁断して自分でスキャンし電子書籍にしてしまう「自炊」が、すでに隠れたブームになっている。その「自炊」関係では、9月5日に大手出版社や作家が自炊代行業者100社に質問状を出し、それに対して代行業が上から目線だと反発しているという記事を、9月19日の朝日新聞が『自炊代行業と出版社対立』として報道している。 音楽CDからパソコンでデータを読取り、携帯音楽プレーヤーに書き込んで聞けるようにする「リッピング」行為の書籍版が「自炊」だ。しかし自炊の場合、手間をかけないで行うには、元になる本の背を切り落としてページをバラバラにする必要がある。裁断しないでスキャンしようとすると、1ページずつ開いてスキャナーに置いてボタンを押して…という行為を数百回繰り返すことになり、たいていの
情報バイアスに陥らないために(1/3) テレビなどのニュースや番組を見て海外の現状を判断するときは、気をつけなくてはいけない。一部だけを針小棒大にしたイメージを植え付けられる可能性があるからだ。 昨年のリーマンショックからしばらくして、世界経済危機を議論するため、中東のドバイに行った。「バブルの塔」とでも言うような高層ビルが次々に建設されていたドバイは金融危機でさぞかし大変な状況にあるだろうと予想して出かけていった。 しかし予想に反して、旅行者の私の目に映ったのは人であふれるレストランや高級車が多く走っている近代都市であり、どこに金融危機の傷跡があるのか分からなかった。 ○目で見たドバイとテレビとの違い 帰国してしばらくして見たテレビ番組では、金融危機で揺れるドバイの風景が放映されていた。失業者が多くいる街角や、建設の止まった高層ビルなどが映像で描き出されていた。 正直言っ
三たび「八ツ場」について書く(1/3) 私は20年前に草津温泉に行った帰りにこのダム計画を知った。5年前にこの計画続行に問題を感じ、このところ2年続けてダムにかかわるシンポジウムの司会を務めている。すでにこの欄でも2度、書いて来た。 書いたことは繰り返したくない。前のコラムを見てほしい。 賛成・反対は別として、「八ツ場(やんば)ダムに注目して」と私が訴えていた時に、「八ツ場って何?」「国がやると言った計画であるし、もう止められないでしょ」と言う学者や記者は多かった。一般市民でも八ツ場を知らない人の方がずっと多かった。 前原国土交通相がマニフェスト通り「中止」と答えてから、がぜん脚光を浴びることになった。例えはよくないかもしれないが、下積み57年の、本当はもっと注目されるべきだったのにされなかった歌手が、いきなり舞台の中央に躍り出た感じである。 新聞は「不偏不党」と言うが、社説
「もの言わぬ記者」と評されては……(1/3) <大臣も大臣ならば 記者も記者><ウルサイ!に 酩酊にもの言わぬ記者>――。いずれも「朝日川柳」で選外になった句だ。 私は川柳欄の選者も務めている(選者名・西木空人)。1日平均2000句という膨大な投句がメール、ファクス、はがきで寄せられるが、投句者のみなさんの鋭い批評眼にしばしば感服する。「野に遺賢あり」(民間には有能な人物が埋もれている)なんて語句が頭をよぎったりする。 最近目立つのは、記者の報道姿勢に対する注文句が増えたことだ。 冒頭に掲げた最初の句は、中川前財務相のローマでの言動をめぐるものであり、2句めは森元首相が追いすがる記者たちに罵声を浴びせた場面(と中川問題)である。 私が社会部の現役記者だったのは30年も昔のことだ。当時は、首相会見などごく一部を除いて、記者会見の映像はほとんど放映されなかった。まして総理のぶらさ
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