予想以上に面白い映画だった。 画面は綺麗だったし、演出も気がきいていたし、何より星街すいせいのOPが良かった。 94分という時間にコンパクトに収めた構成も綺麗だったように思う。 一方で、相当に不愉快な話でもあり、とりわけ冷酷なラストシーンには最悪の後味が残った。この作品を猛烈に嫌う人がいるのも理解できる。ただ、映画自体はこの残酷さにある程度自覚的だったようにも思う。おそらく、この残酷さこそがアイドルの条件なのだ。 アイドルというイデオロギー 本作の主人公は、東ゆうというアイドル志望の少女である。彼女に対する評価は現在、真っ二つに割れている。擁護のしようがないサイコパスか、あるいは行動力にあふれた等身大の主人公か? このように評価が分かれる原因の一つは、本作の語りの構造にある。この映画では、「東ゆうが意図していること」「東ゆうが実際に行ったこと」「東ゆうの行動がもたらした結果」がそれぞれ別の
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