「1人1便器。2時間集中して、いい汗を!」。大阪府立阿倍野高校(大阪市阿倍野区)で開かれた「第23回大阪便教会(べんきょうかい)」。小中高の教師、高校生、大学生ら参加者約70人がスポンジと網目状のサンドペーパーを手に、便器磨きに取りかかる。裃(かみしも)を脱ぎ捨て、上から目線ではなく教師が子供と向き合う一歩にと、愛知県の1人の高校教諭が立ち上げた「便教会」がいま、全国的な広がりを見せている。(服部素子) 土曜日の午前8時、阿倍野高校に同府立城東工科高校の野球部員、京都府立向陽高校の女子バレー部員、大阪産業大学の硬式野球部員と、大阪、京都、滋賀などからやってきた教師や市民が集合。生徒4班、教師班の5つに分かれて、男子トイレ5カ所で掃除が始まった。 耳を疑ったのは、「掃除は素手、素足で」というかけ声。大阪便教会の母体で「西宮掃除に学ぶ会」(兵庫県西宮市)代表の佐藤弘一さんの言葉だ。記者の驚きを