『アンボス・ムンドス』のアフリカ特集(第6号)では、アフリカ音楽の現状について書かせていただいたのだが、全体概要を限られた紙数と時間で書くにはいろいろと限界があった。特に各国の状況をある程度細かなところまで触れることは出来なかったので、こうした点、機会をみて補っていきたいと考えているのだが、ほとんど触れられなかったもののひとつが、南アフリカの音楽。今回はそのうち、ヒップ・ホップに焦点を当てて紹介してみたい。 ひところは日本でも南アフリカ音楽が人気を博し、特にクアトロ・レーベルがアフリカン・ジャズ・パイオニアーズ、マハラティーニなどを積極的に紹介していた。ところが最近は、せいぜいマハラティーニの死が伝えられたくらいで、音楽状況そのものは全くと言っていいほど分からなくなっている(最近の南アフリカのジャズについても、概説する予定なのでお楽しみに)。 ところが、南アフリカ音楽シーンが、停滞している