復興庁が12日発表した東日本大震災の復興事業に関する政府方針には、2015年度限りで終了する10事業が列記された。いずれも、事業目的を達成したり、必要性や緊急性がなくなったりした事業と位置づけているが、被災地からは「実情を理解していない」との声も上がった。被災地の「自立」を促す国との温度差が浮き彫りになった。 15年度で終了となる事業に、東京電力福島第1原発事故に伴う「県外自主避難者等への情報支援事業」がある。今年度の事業費は約1億円。全国8都道府県のNPOなどに委託して交流会を開いたり、県外避難者の生活相談を受け付けたりしている。支援情報をまとめたニュースレターも発行している。 福島県避難者支援課によると、県外避難者は現在約4万6000人。この事業は自主避難者だけでなく、避難区域から県外に逃れた人も利用してきた。県の担当者は「国が全額負担する『原発由来』の事業なのに、打ち切られる理由