思いやりをほんのちょっと分けてくれませんか−。このキャッチフレーズで開いた絵本専用の私設図書館が、浜松市東区大瀬町の自動車販売店「大瀬モータース」にある。ショールームの物置だった一角を改装し、寄贈で集まった絵本三百冊を並べる。館長の袴田弥生さん(41)は「絵本を通して、子どもからお年寄りまで集まる場所にしたい」と話す。 (高島碧) 真新しい木の香りが漂う図書館は、広さ四十平方メートル。床と壁の板を張り替え、天井には青空柄の壁紙を貼った。店舗内にあるが、入りやすいよう専用の出入り口も設けた。四人分の勉強机もある。 創業五十五年で三代目袴田智紀店長(43)と妻弥生さんが絵本の図書館を考えたのは二〇一九年。高齢の顧客から「目が見えづらくて本が読めない」という声を聞いたことがきっかけだった。二人とも近くの大瀬小学校で読み聞かせボランティアもしていた。世代を超えた交流のきっかけとして、絵本を置きたい