福沢諭吉こそアジア蔑視をあおり、日本の近代化を誤らせたのではないか――。太平洋戦争が開戦した8日、名古屋市で「不戦のつどい」があり、福沢像の見直しを議論する。漫画「美味しんぼ」原作者、雁屋哲さん(74)らが登壇する。 愛知県平和委員会や、不戦兵士・市民の会東海支部などでつくる実行委員会の主催。中国、韓国との緊張関係が続き、安全保障法制で揺れた戦後70年の締めくくりに、日本の近現代史を根本から問い直そうと企画した。 福沢は明治の思想家で慶応義塾の創設者。「天は人の上に人を造らず」など自由、平等の西洋思想を提唱する一方で、「アジア東方の悪友を謝絶するものなり」(「脱亜論」)などアジア侵略を説く論文も多数残している。こうした負の側面について、雁屋さん、名古屋大名誉教授の安川寿之輔さん(80)、帯広畜産大教授の杉田聡さん(62)の3人が論じる。 福沢の著書や研究書を10年前から読み込んできた雁屋さ