名古屋市は28日、名古屋城木造新天守にエレベーターを設けるかどうかを検討するプロジェクトチーム(議長・堀場和夫副市長)をつくり、初会合を開いた。観光分野のほか、福祉や教育を担当する幹部が部局を横断して議論し、来年3月に結論を出す方針だ。 今後、障害者団体や福祉の専門家から意見を聞く。エレベーター設置だけでなく、分かりやすい案内板や多言語に対応した音声ガイド、案内スタッフの配置など、誰もが楽しめる環境づくりについて議論する。河村たかし市長は同日の記者会見で「とにかく体の不自由な人の話をよく聞いてほしい」とチームに求めた。 市は11月、2022年末の完成を目指す木造新天守について、「史実に忠実な復元をする」としてエレベーターを設置しない方針を表明。その後、障害者団体が設置を求める公開質問状を出し、河村市長が障害者の意見を聞かずに方針を示したことを陳謝していた。