【解説】本稿は、ドイツのサバイバーでアボリショニストの活動家であるフシュケ・マウさんによる、買春客に関するきわめてすぐれた考察です。書かれたのは2016年と少し古いですが(もともとはドイツ語)、その後、各国語に翻訳されて、世界中で読まれています。ここに、本人の許可を得て全訳を掲載します。基本的に英訳からの翻訳ですが、ドイツ語原文を適宜参考にしています。 フシュケ・マウ http://www.huschkemau.de 私の書き物机の横には、いやな記憶を入れておく箱が置いてある。私はフラッシュバックや「侵入的思考」が起こるたびに、紙にできるだけ早く書き留め、その紙を箱に投げ入れて蓋をする。箱はかなりいっぱいになっている。今日、箱の中からいくつかのメモを取り出した。なぜなら、買春客(punter)について書きたかったからだ。 「買春客」という言葉はドイツ語では「Freier」と言い、「誰かを自