滋賀医科大学は、アルツハイマー病(AD)の発症を抑制するタンパク質「ILEI」を同定したと発表した。 同成果は、同大分子神経科学研究センターの西村正樹 准教授、遠山育夫 教授らと、東京都健康長寿医療センターの村山繁雄 部長らによるもの。詳細は「Nature Communications」に掲載された。 アルツハイマー病の分子病態は、脳内のアミロイドβ(Aβ)蓄積により惹起されることまでは分かっているものの、Aβ蓄積の一次的原因の多くは未だに不明であり、分子病態の是正による治療法の確立には到っていないのが現状だ。 今回の研究では、Aβペプチド産生の原因物質である前駆体タンパク質(amyloid-β precursor protein:APP)のC末端断片(APP-C99)のAβ非産生経路による分解を促進することで、Aβ産生経路を抑制し、Aβ産生レベルを減少させるタンパク質「ILEI」を発見し