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ブックマーク / kaze-no-katami.hatenablog.jp (79)

  • 風雅の技法 - 風のかたみの日記

    小中学校の授業以外、音楽に関して特別な教育は受けていない。それでも決して上手いとは言えないもののギター、ピアノ、ベース、ドラムは何とかこなす楽器小僧である。病が高じて太棹の三味線まで手に入れたが、これは未だ収納の中に眠ったままだ。 「眠ったまま」と言えば1年余り前に導入した DAWソフト「Cubase 10 pro」がメインの音楽制作システムも、来の機能が使えないまま専らMIDIファイル再生機と化していた。 因みにこのブログの「季節の花」シリーズのBGMは全てそのMIDIを走らせたデジタル音だ。 しかし自分で言うのも何だが、実はその音が気に入らないのである。それは「Cubase」にバンドルされたデフォルトの音源が、そのMIDIファイルが作成された頃、未だ存在していなかったせいで、同じ音色名であっても来の音とは微妙に異なるのだ。 その「微妙な違い」を解消する為には、昔の音源を使うしかない

    風雅の技法 - 風のかたみの日記
  • 季節の花(師走) - 風のかたみの日記

    毎年この時期になると薄墨で書かれた定型文の葉書が届く。かってその文面の主語は「祖父が」か「祖母が」であり、やがてそれが「父」か「母」に変わって、ついには人の名前が記される事となる。 しかしそれは避けては通れない自然の摂理。枯れ果てた一年草の花は、種は残しても再び咲く事は無い。 願わくはローラ・ニーロの歌のように、次の世代へと引き継がれて行かんことを。 And when I die, and when I'm gone.  There'll be one child born. In this world to carry on. 季節の花 師走 (4K)/風のかたみの日記

    季節の花(師走) - 風のかたみの日記
  • 新蕎麦を食す - 風のかたみの日記

    親子三代以上脈々と続く生粋の江戸っ子ではないが、意地っ張りで喧嘩っ早く人情家で涙脆い。ついでに「宵越しの銭は持たない」と啖呵の一つも切りたいところ、残念ながら生来「金」とは縁遠い。それでも新たな季節の到来を告げる初物や旬の物には目が無く、多少値が張っても出来ればいち早く味わいたいとは思っている。 ところが、例えば秋を代表する庶民の味「秋刀魚」が昨年から極端な不漁に見舞われ簡単には口に出来なくなってしまった。そこへ持って来て新型コロナウイルスの来襲である。ひたすら「STAY HOME」を心掛け「うち飯」や「テイクアウト」偶には「宅配」に徹しているが、かれこれ一年近くも続けるとイイ加減うんざりするのが人情と言うものだ。 そんな折り何気なくインスタグラムを眺めていたところ、 とある蕎麦屋の写真に目が留まった。『そうか、もう新そばの季節か』 インスタグラムの主は東京は中央区日橋室町に店を構える「

    新蕎麦を食す - 風のかたみの日記
  • 季節の花(霜月)その三 - 風のかたみの日記

    このブログを更新するタイミングについて特に決めている訳ではないが、今月はいつになく記事数が少ない。それと言うのも最近文章を書く事が大儀に思えて仕方が無いのである。 元来筆者は滔々と高説を垂れる程の蘊蓄も無く、仮に何か書いたところで以前読んだ書物やネットから拾い集めた概説等を、あたかも持論であるかのように記述する位しか能が無いのである。 尤も広告収入を得る等と大それた目的も無い事はご覧の通りだが、それでも「はてなスター」や「ブックマーク」を頂くと素直に嬉しい。それは「私」にとってはささやかな、しかし「風のかたみ」にしてみれば過分なる贈り物。その為だけに、こうして投稿を続けるているのかも知れない。 さて、二度ある事は三度ある。三度目の正直。仏の顔も三度まで、いや待て。仏様も三度も顔を撫でられたら怒るのだから、三度目はアウトなのか。 心を過る数多の不安に背を向けて、今回も以下の通り。 季節の花

    季節の花(霜月)その三 - 風のかたみの日記
    mikotomikaka
    mikotomikaka 2020/11/22
    はてなブログは横のつながりがあるからいいですよね
  • 「ピーナッツ」70周年 - 風のかたみの日記

    最近の話題と言えばアメリカ大統領選挙を除き、何をおいてもアニメ映画鬼滅の刃」に落ち着くだろう。老いも若きも、右も左も、青も赤も、も杓子も、馬も鹿も、挙って難解な名前をもつ登場人物達が繰り広げる世界に夢中になっているらしい。 それなのに私は全くと言っていい程、作について何の知識も持ち合わせていない。このように新しい物事に対し興味が沸かなくなるという事は、既に老化現象の始まりなのかも知れない。 それはさておき、唐突ではあるが読者諸氏は「ピーナッツ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。古くは時の総理大臣も絡んだ「ロッキード事件」において、受渡された現金を意味する隠語の事か、そうでなければ炒ったり茹でたりして、ビールのツマミに合う落花生の事だろうか。 しかし、私がこれから書こうとしているのは、もしかしたら「スヌーピー」と言った方が解り易いかも知れない、あの二足歩行が出来るビーグル犬が登場する

    「ピーナッツ」70周年 - 風のかたみの日記
    mikotomikaka
    mikotomikaka 2020/11/08
    ぬいぐるみのスヌーピーしか知りませんでした
  • 日光2020 - 風のかたみの日記

    毎年この時期になると必ず日光へ紅葉狩りに出掛けている。昨年、一度目は東北自動車道が濃霧の為通行止めとなり途中で断念、日を改めて漸く辿り着いた事を思い出した。 kaze-no-katami.hatenablog.jp しかし今年は矢張り新型コロナウイルスの感染が怖いし、幾ら「go to ~」とは言ってもウカウカ物見遊山に行く状況とも思えない。 それでも、そのうち老いさらばえて、車の運転どころではなくなる日も必ず訪れるだろう。かってコーナーを攻めるなどと称しカーブの手前ギリギリまでブレーキを我慢して、スローイン・ファーストアウトで駆け抜けた(心算になっていた)あの頃は、最早記憶の底に沈みこんでしまった。 今では全く無理をせず安全第一を心掛けてはいるが、視力は低下、反射神経は衰え、判断力は鈍り、もしかしたら来年はもう免許を返納せざるを得ない身体になっているかも知れない。そんな事を漠然と考えながら

    日光2020 - 風のかたみの日記
    mikotomikaka
    mikotomikaka 2020/11/02
    紅葉がとてもきれいですね
  • コスモス - 風のかたみの日記

    コスモスの花が見頃だ。白や桃色、紅の花弁が秋の陽を浴びて目に眩しい。私は誘われるようにカメラを抱えイソイソと出掛ける。 コスモスの語源はギリシャ語の「宇宙・統一」なのだそうである。「COSMOS」といえばカール・セーガンとかいう御仁もいたが、より我々に馴染み深いのは長崎のバイオリン弾きが作り横須賀育ちの少女が歌った「秋桜」という曲かも知れない。あの歌が流行る昭和52年まで「秋桜」は「あきざくら」と読んでいたのだ。 しかし、さだまさしや山口百恵には殆ど興味の無い捻くれ者の私は、各々が卓越した演奏力を持ち、ヤマハのコンテストを勝ち抜いた女性三人組「COSMOS-keyboards trio-」を思い出してしまい、ダメもとでYouTubeを探してみたら何と見つけてしまった。 JAPAN SYNTHESIZER BAND COSMOS 因みに上のビデオで土居慶子が口に咥えているのは、息の強弱でシン

    コスモス - 風のかたみの日記
  • 諡(おくりな) - 風のかたみの日記

    今回は柄にもなく少々苦言を呈したい。と言っても大した話では無く常識的な事なので気軽に読んで頂きたい。 先日、特に当ても無く適当に「はてなブログ」を冷やかしていたところ、偶然にもあり得ない、あってはならないと思われる文言を目にしてしまった。誹謗中傷が目的ではないので出典は開示せず、ましてやIDコールなどする心算は毛頭ない。しかし、そこには間違いなく「令和天皇」の四文字があったのだ。 恐らく書いた人に悪意は無く単に現在の「天皇徳仁」について言及しようと思ったのだろうが、コメント欄を見ても誰一人その「違和感」を指摘する者は無く、余程私が注意しようかとも考えたが、読者登録している相手ではないし、突然の書き込みは失礼になるかも知れず、そして何より無用な紛争を避ける為、そのまま放置する事にした。しかし、だからといって見なかった事にする訳にはいかないのだ。 では一体何がどう問題なのか。聡明な読者諸氏に

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  • ただその40分間の為だけに(最終回) - 風のかたみの日記

    半年後、クマは晴れて大学生になっていた。「晴れて」という表現が第三志望の合格に相応しいかはさて置き、アグリーやセンヌキを始め、他の仲間の男子生徒は軒並み浪人暮らしが確定し、それとは対照的に女子では唯一人国立大学を目指すメガネユキコを除いて殆どが短大等に合格していた。 尤も世間では一年間の浪人生活である「一浪」を「ひとなみ(人並)」と読み換え、ごく当たり前の事として認知しており、クマにしてもそれは選択肢のひとつではあったが、とにかく一日も早く自由の身を手に入れようと現役合格を目指していた彼は、迷わず入学手続きを取る事に決めたのだった。 前年9月27日、「ヒナコさんグループ」の演奏を終えて世田谷区民会館から帰宅したクマは、ギターを始めた中学1年から伸ばしていた右手の爪を短く切り揃え、楽器は綺麗に拭きあげてケースにしまった。予定ではそれは、大願成就の日まで封印される筈であった。 ところがその夜、

    ただその40分間の為だけに(最終回) - 風のかたみの日記
  • ただその40分間の為だけに(24) - 風のかたみの日記

    遂にその時が訪れた。しかし「ヒナコさんグループ」に緊張感や気負いは無かった。それは偏にこれまでの膨大な練習量の賜物と言えよう。クマにしてみても同じ曲をこれ程繰り返し演奏した経験はかって無かった。 「行くよ」ステージへ続く暗い通路に響いたクマの言葉に、ヒナコは大きく頷いてムーの肩を軽く叩き、両手にギターを抱えていたクマとアグリーは、目だけで互いに合図し合う。そして足を踏み出した。 その30分程前、彼等に文化祭準備委員長から持ち時間短縮の要請があった。「二曲位カット出来ないか」それは十分予想出来た事だったがスケジュールは押していた。 だがそれに対しクマは毅然として答えた「それは受け入れられない。僕等はこの40分間、ただその為だけに、この半年間を送って来たんだ。一曲たりとも外す訳にはいかない。それでも可能な限り曲と曲の間を短くするように努力はする」 スポットライトに照らされたステージからは、客席

    ただその40分間の為だけに(24) - 風のかたみの日記
  • ただその40分間の為だけに(23) - 風のかたみの日記

    世田谷区民会館は隣接する区役所と同様、外壁が無くコンクリートの地肌を剥き出しにした灰色の建物だ。竣工が1959年である事を考えれば、当時としては斬新なデザインだったのかも知れないが、それから15年を経た今では単に無機質で冷たい外観の構造物という印象の方が強い。 クマは以前、何度かその中に入った事がある。殆どは小学生の頃、学校で無理矢理書かされた読書感想文が世田谷区主催のコンクールに入選し表彰を受ける為だった。「そう考えるとあの時はここが出来てまだ間もない頃だったのか」クマは思った。 都立深沢高等学校の文化祭は3日間の日程で行われる。変わっているのは初日は学内ではなく、この施設を借り切って全校生徒と教職員のみ観覧する形が採られていた事だ。 『一体誰がそんな事を決めたのだろう』誰もが一度は思う事だが、深く追求する者は無く、『まあ、どうでもいいか』そんな白けたアウトサイダー的考え方が当時の風潮と

    ただその40分間の為だけに(23) - 風のかたみの日記
  • ただその40分間の為だけに(19) - 風のかたみの日記

    世田谷区民会館の舞台に立つまで既に三ヶ月を切っていた。「ヒナコさんグループ」が使える時間は未だ不明だったが、レパートリーにムーの二曲目が加わり、取敢えずはこれをメインに練習を続けていた。 しかし未だ四曲では足りない。ステージを30分以上維持するには、少なくとも後二、三曲は用意しなければならず、最も手っ取り早い解決法はアグリーとクマが既に作った歌から選ぶ事であったが、それはいつでも出来る最後の手段で、クマはヒナコの顔を見る度にあと一曲何とかするようプレッシャーをかけていた。 その日の練習でも同様、開口一番こう切り出した。 「ねえ、何か無いの。取敢えずさ、曲か歌詞か、どっちかあれば後はどうにかするから」 「そうねえ、ないことも無いんだけど、ちょっとねえ、あんまりねえ」 「ちょっと何よ、いいからやってみてよ」クマに促されヒナコは自信なさげにギターを持ち上げてボソボソ蚊の無くような声で歌い始めた。

    ただその40分間の為だけに(19) - 風のかたみの日記
  • ただその40分間の為だけに(15) - 風のかたみの日記

    1964年10月10日、澄み渡った東京の空に航空自衛隊ブルーインパルスのF86Fセーバーが五つの輪を描いた。街の至る所には世界93か国の色とりどりの国旗がはためき、人々は15日間の祭りに酔い痴れた。 数々の名勝負が語り継がれる中、とりわけ東洋の魔女と呼ばれたバレーボール日本代表「日紡貝塚」が、宿敵ソ連を下し念願の金メダルを獲得した事が多くの日人の心に強く印象を残した。 『そう、最後の得点はソ連のオーバーネットによる一点だった』。決勝戦の勝敗を決する世紀の瞬間に審判の裁定は若干遅れ、直ぐには判明しなかった事をクマははっきりと覚えていた。 それから10年、その熱戦が行われた駒沢オリンピック競技場は、専ら地域住民の憩いの場「駒沢オリンピック公園」となっている。 ここに来るとクマは、いつもこの施設が建設されていた頃の事を思い出す。彼は小学一年生の時から、暇さえあれば日々変化する景色を眺める為に此

    ただその40分間の為だけに(15) - 風のかたみの日記
  • お知らせ - 風のかたみの日記

    今年の5月から6月にかけて、私は「青春浪漫 告別演奏会顛末記」なる小説のような雑文を連載して、自ら己の文才の無さを白日の下に晒し「拙文王」の名を不動のものにした。 実は自分でも忘れていたのだが、その第5回には次のような記述があった。 『・・・ムーはヒナコとかいう1組の女子と一緒にやるとのことであった。 このムーとヒナコ(HIM)二人と、アグリー、クマの四人はグループを組んで、その7か月後、世田谷区民会館のステージ立つことになるが、この物語ではそれには触れない・・・』 これは所謂「続編」もある事を臭わせた心算だったのか。しかしその時は多分、具体的な計画などは無くただ漠とした布石に過ぎなかったと思う。 それでも、時の流れを止める事は出来ない。たとえ物語の中でも登場人物達は歳を重ねている筈である。私は時計の針を進め、彼等のその後を見届ける義務があるのではないか。そんな気がして来たのだ。(かなり都

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    mikotomikaka
    mikotomikaka 2020/09/03
    凄いです頑張ってください\(^o^)/
  • ジャポニカ学習帳 - 風のかたみの日記

    このブログに投稿している通り、普段私が撮影している写真は草花の接写が多い。そのせいか知人からは「ジャポニカ学習帳」と揶揄される始末である。 この「ジャポニカ学習帳」とは、ショウワノート(株)が専ら子供向に1970年に販売を開始した歴史のある学習用のノートであり、私もその存在の認識はあったが使った事は一度も無い。尤も既にそれを使う年齢を超えていたとも言える。 さて8月26日、たまたま見ていたニュースで「ジャポニカ学習帳」の見出しが映った。それによれば同学習帳の50周年を記念して「昆虫シリーズ」が復活するという。 すんなり聞き流していたところ、前述の知人から「昆虫が気持ち悪い、という声があって販売を中止していたらしい」との連絡があった。 私はてっきり、またぞろモンスターペアレントなる愚かなクレーマ集団の仕業かと考え、更なる情報を当たってみたが、どうもはっきりしない。取り敢えず2012年から「昆

    ジャポニカ学習帳 - 風のかたみの日記
    mikotomikaka
    mikotomikaka 2020/08/29
    懐かしいですね子供の頃昆虫は苦手で好きじゃなかったですが復活するのは嬉しいかも
  • 土曜の朝の風のかたみ - 風のかたみの日記

    最近の土曜の朝は「川口グリーンセンター」へ行き、草花の写真を撮影する事がすっかり習慣になってしまった。個人的趣向で引き続き外を自粛している現在、残された数少ない楽しみのひとつだ。 園内の混雑を避ける為、未だ人の少ない開園時刻に合わせて家を出るが、丁度その時間にはTOKYO FMで「Peace of Mind:土曜の朝のサラ・オレイン」という番組が放送されており、これを聴きながら車を転がしている。 冒頭にリスナーからの「お便り」が紹介され、そこからサラ・オレインがその日のテーマを展開してゆく。しかし漫然と聞いていると、大概の「お便り」はウイットに欠けるショーもない内容ばかりで少々ウンザリしていた。「そろそろ『風のかたみ』の出番かも知れない」、そう思った。 ところで、以前私がこの番組宛てにリクエストを送ったところ採用され、特製マグカップを手に入れた事は既に述べた。 kaze-no-katam

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  • 海に連れてって - 風のかたみの日記

    どうやら今週のお題は「夏うた」という事らしい。毎回「如何に手を抜きブログを更新するか」そればかりを考えている私としては、夏に因んだ歌をYouTubeから引っ張り出して、リンクを貼り付ければ一丁上がり。これを見逃す手は無い。自慢では無いが長く生きている分、古今東西の隠れた名曲にも精通している心算である。 早速取り掛かって適当と思われる候補を5曲ほど見つけ、「これで盆休みはのんびり過ごせる」とすっかり安心していた。 ところがである。「好事魔多し」の諺通り、思いもかけない事が私の身に降りかかった。 8月9日未明、枕元に置いたスマホが勝手に点灯し、メッセージらしきモノを表示した。何と「はてなブログ」で誰かが私をIDコールしているのだ。 確認すると以下の通り。 さえわたる (id:saewataru) 風のかたみ (id:kaze_no_katami) さんからは、「全体を通して打楽器が控えめでは?

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    mikotomikaka 2020/08/12
    いい歌ですね
  • 月への尽きない想ひ - 風のかたみの日記

    深夜ふと目が覚めた。見慣れた寝室がいつもより明るく感じられた。よく見ると光はカーテンレール辺りから漏れている。外を確認すべく起き上がり、カーテンを開く。その瞬間、私の眼は光の正体を捉えた。満月! 小学生の時、天体望遠鏡を買って貰った。経緯台の屈折型だったが、フレキシブル・シャフトという縦横微調整可能な機能を備え、子供にしてみれば充分過ぎる立派な代物。 木星のガリレオ衛星は勿論、条件さえ揃えば土星の環を見る事も出来た。そして圧巻は何と言っても夜空で一番大きな天体「月」である。 それまでも写真などで、月の地表=白く輝く山岳部や「海」と呼ばれる黒っぽい平地、そして所構わず無数に空いた大小様々な穴ボコの知識はあった。しかし実際に自分の眼で見るのとは全く違う。時間の経つのも忘れ、いつまでも接眼レンズから目を離す事が出来なかった。 「天文学者になろう」そう考えた時期もあったが、やがてそんな事は忘れてし

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    mikotomikaka 2020/08/08
    真っ白な満月の写真すてきですね
  • 新生老舗レストランを南青山に訪た <その5> - 風のかたみの日記

    そしてTはワインを一口飲み漸く「これ、味はいいんだけど、とにかく強烈」と理解不能な言葉を呟いた。早速私も残ったひと欠片を取り皿に乗せ、フォークで更に小さく分けて口に入れた。 これまで随分ブルーチーズをべて来たつもりだったが、これは初めての味。特段臭みや塩分が強いとも思えない。しかし凄まじい程の衝撃が口の中を蔽いつくす。 困惑する私の顔を見てTは笑いながら「初めてチーズに負けた」とまた訳の判らない事を言い、皿に残ったブルーチーズに恨めしそうな視線を送った。これが有名なロックフォール (Roquefort) の味なのかどうか私には判断出来ず、唯Tに向かい苦笑するばかりだった。 しかし年齢と共にイケ図々しさを身に着けてきた私はこんな事ではめげない。幾分の酔いも手伝って、次なる試みは今夜この場所でここにいる者達の注目を集めてみようと思い立った。 手始めは先ず、以前、元赤坂で飲んだ自家製「レモン・

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    mikotomikaka 2020/08/02
    ハムの塊凄いそのままかぶりつきたいです
  • ハーフは嫌(Half a year) - 風のかたみの日記

    そろそろブログを更新するタイミングかと思いつつ、いつものように全くやる気が出ない。そこで「はてなブログ」の「今週のお題」を覗くと「2020年上半期」の文字。どうやらこの半年間を振り返ってみようという企画らしい。 と、その時突然、楽する事ばかり考えている灰色の脳細胞を、あたかもガンマ線バーストのように名案が突き抜けた。「この半年の間に書いた記事の中から幾つかを選び、リンクを貼り付ければ一丁上がり。こんな美味しい『お題』を見逃す手は無い」 安直と言われようが手抜きと蔑まれようが、別に人様に迷惑をかける訳ではない。なまじ尤もらしい御託を並べ、思わぬ誤解を招いたり不快な印象を与えるよりは余程マシではないか。 早速状況を確認するとこの上半期に「花あり、あり、音楽あり」、良く言えばバラエティーに富んだ、実態は支離滅裂なブログを70編投稿している事が判明。この中から各月1編を目安とし、改めて御紹介申し

    ハーフは嫌(Half a year) - 風のかたみの日記
    mikotomikaka
    mikotomikaka 2020/07/25
    コロナの影響であっという間に半年経ってしまった感じです早くおさまって欲しいですね