米国が2億ドルの研究開発投資をするとの発表以来,「ビッグデータ」なるITキーワードが急に取り上げられるようになった。本稿では,ビッグデータの背景について述べると同時に,情報爆発,情報大航海プロジェクトを振り返りながら,その本質について考察する。加えて,ITメディアを取り上げ,動画を用いつつ,ビッグデータの有用性について具体的に紹介する。さらに,ビジネスにおけるビッグデータとして,プローブカーのセンサー情報利活用,科学におけるビッグデータの動きとして第4の科学に触れ,最後に,データの利活用を促進するためのエコシステムの必要性について論ずる。 2012年3月29日にホワイトハウスから発表されたビッグデータへ2億ドルの研究開発投資を行うというメッセージ1)は,大きなインパクトがあり,一般誌を含め,にわかにビッグデータなるキーワードが衆目を集めるに至ったと言える。極めて平易な表現であることも功を奏