今年のNHK連続小説「らんまん」の主人公のモデルとなった牧野富太郎。ドラマ化発表以前の2021年より取材を開始した著者は、牧野博士に関する膨大な資料を渉猟し精査する一方、生まれ故郷の高知・佐川から終の棲家となった東京・練馬の居宅跡まで、関係各所を訪ねた。そうした2年におよぶ丹念な取材調査を通して、博士がみずから書き記した自叙伝や自叙伝のプロットをなぞった多くの伝記などとは大きく異なる牧野富太郎の隠された素顔が浮かび上がった──。近著『牧野富太郎:花と恋して九〇年』(青土社)を上梓したノンフィクション作家の上山明博さんに、取材のエピソードも交えて牧野富太郎の実像について語っていただきます。