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ブックマーク / magazine-k.jp (12)

  • 書誌情報の「脱アマゾン依存」を!

    去る8月25日、図書館蔵書検索サービス「カーリル」のブログに掲載された「サービスに関する重要なお知らせ」を読んで、驚いた人は多いと思う。この日のブログにこのような一節があったからだ。 カーリルでは、Amazon.com, Inc.が保有する豊富な書誌情報(のデータベース)をAmazonアソシエイト契約に基づき活用することにより、利便性の高い検索サービスを実現してきました。現在、Amazon.comよりカーリルとのAmazonアソシエイト契約が終了する可能性を示唆されているため対応を進めています。 Amazonアソシエイト契約の終了は現時点で決定事項ではございませんが、カーリルではこの機会に、Amazonのデータを主体としたサービスの提供を終了し、オープンな情報源に切り替える方針を決定しました。現在、新しい情報検索基盤の構築を進めておりますが、状況によっては一時的にサービスを中断する可能性

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    milkya
    milkya 2017/09/01
  • 出版デジタル機構がNetGalleyを始めた理由

    出版デジタル機構がNetGalleyというサービスを始めた。NetGalleyを直訳するなら「ネットのゲラ」。これだけでは意味がわからない。 いま出版社は、書籍の発売前にプルーフ版(仮刷り版)をつくり、新聞や雑誌の書評欄担当者や書評家などに送ることが多い。これを紙ではなくデジタル(PDFまたはePUB)に置き換えたものがNetGalleyだ。ただし、紙のプルーフ版は出版社が一方的に送るが、NetGalleyはサービスに登録した会員のなかから出版社が選んだ人物に送る。 出版デジタル機構の新名(にいな)新社長からこのサービスの話を聞いたとき、これはいいなと思った。わたしにもときどき出版社からプルーフ版が送られてくる。以前から「これがデジタルだと楽なんだけどな」と思っていた。ふだんを買うときは、まずデジタルで探すのが習慣になっているから。以前、iBookで献してくれた出版社があって、これは快

    出版デジタル機構がNetGalleyを始めた理由
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    milkya 2017/08/28
  • 日本十進分類法のオープンデータ化に向けて

    図書館は、分類番号順に棚に整理されています。このとき使われる分類規則、日十進分類法(NDC)は、国内の図書館の事実上の標準となっています。 しかし、二次利用やデータ公開が公益社団法人である日図書館協会により大幅に制限されており、検索精度の向上や様々な分野での図書館データベース活用の大きな障害となっています。また、カーリルのような新しい事業者には多額のライセンス料とデータの再配布を制限する契約を要求する一方、従来からNDCを活用している事業者はライセンス料を一切負担していません。このような運用は公益社団法人としてふさわしいものではありません。 NDCは公共性の極めて高いプロトコルであり、だれでも、いつでも活用できるようにするべきです。これまでカーリルでは日図書館協会に対して再三にわたりオープンデータ化を要請してまいりましたが未だ実現しておりません。現在、図書館関係者有志によりND

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    milkya 2015/10/06
  • 私設雑誌アーカイブ『大宅文庫』の危機【後編】

    京王線・八幡山駅で下車し、左手に都立松沢病院の蒼とした木立を眺めながら大宅文庫(公益財団法人・大宅壮一文庫)へと向かう。この道を、いつも一人で、しかも、複雑な心理状態で歩いていた記憶がよみがえる――。 サラリーマン編集者をしていた20〜30代の頃だ。ある時は、予定していた取材先だけではページが埋まらず、締め切りが迫る中、急遽、ネタを探し直さねばならず焦っていた。またある時は、企画会議の直前だというのに手持ちのネタがなく、急ごしらえであろうが企画をひねり出さなくてはという不安に押しつぶされそうになっていた。そして資料を漁り終えると、一目散で編集部に戻らなければならない。街を眺める余裕すらなかった。何度も通った八幡山なのに、自分はこの街のことをほんとんど知らないことに気がついた。 大宅文庫に「行く人」と「行かない人」 実を言うと、今回、正式な取材の申し込みをする前、誌「マガジン航」の編集・

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    milkya 2015/09/10
  • 私設雑誌アーカイブ「大宅文庫」の危機【前編】

    「知らなかった、大宅文庫が経営の危機にあることを」――。 8月8日、このような一文から始まる書き込みをFacebookにアップした。すると瞬く間に「拡散」され、5日後には「いいね!」が497人、「シェア」が276件。Facebookと連動させているTwitterのほうは、「リツイート」が674件、「お気に入り」が272件……。正直、驚いた。こんなに話題になるとは思ってもいなかった。その一方で、「みんな当に大宅文庫に関心があるの?」と訝る気持ちも生まれてきた。 公益財団法人・大宅壮一文庫(以下、大宅文庫)は、東京都世田谷八幡山にある雑誌専門の私設図書館だ。その名の通り、ノンフィクション作家で評論家の大宅壮一(1900〜1970年)が蒐集した膨大な雑誌資料が元になっている。大宅壮一といえば「一億総白痴化 」や「駅弁大学」「男の顔は履歴書である」といった名言・語録でも知られているが、「は読む

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    milkya 2015/08/27
  • 貧困から図書館について考える

    3月8日、著書『生活保護リアル』(日評論社)にまとめられたネット連載など、生活保護についての多角的な報道を重ねた功績で貧困ジャーナリズム大賞2014を受賞されたみわよしこさんと、『困ったときには図書館へ~図書館海援隊の挑戦〜』(悠光堂)の著者である神代浩さんによる、第4回LRGフォーラム「貧困図書館 困ったときに頼れる図書館へ」を聞きに行った。貧困図書館生活保護図書館。一見不思議かもしれないこの組み合わせの接点とは何なのか。 しかしこの問いに入る前に、そもそも図書館とは何かということを考えてみたい。登壇者のお一人である神代さんは文科省の社会教育課長時に、住民がかかえる問題の解決を助ける各地の図書館を応援するための図書館海援隊という取り組みを始めた方である。私は神代さんの活動を最初に知ったとき、先に社会問題があって、そこから図書館に何ができるのか考える、という点に魅力を感じた。 先

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    milkya 2015/04/02
    “生きていくうえで絶対必要になってくる場所に対して図書館の側からもアプローチをしていって、小さな砦をたくさん作っておく”←これこれ!公共サービスとしてこれが重要なんだよ。まさにずっと思ってた。
  • 図書館をめぐる二冊の本〜新年に考える

    明けましておめでとうございます。今年も「マガジン航」をよろしくお願いします。年明け早々に、図書館に関する面白いが二冊出ました。鎌倉幸子さんの『走れ!移動図書館でよりそう復興支援』(ちくまプリマー新書)と、猪谷千香さんの『つながる図書館〜コミュニティの核をめざす試み』(ちくま新書)です。今年はこの話題からはじめたいと思います。 鎌倉さんは公益社団法人シャンティ国際ボランティア会のメンバー(現在は広報課長)で、東日大震災後に岩手県で被災地の仮設住宅をまわる移動図書館プロジェクト(岩手県からはじまり、いまでは福島・宮城を合わせた被災三県をカバーする「走れ東北!移動図書館プロジェクト」に成長しています)を立ち上げた方。そして猪谷さんは昨年創刊されたハフィントンポスト日版で、公共図書館や地方自治をめぐる取材を継続的に続けてきた記者です。 鎌倉さんにはカンボジアで図書館事業を行ってきた経験が

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    milkya 2014/01/14
  • 電子書籍の「探しにくさ」について

    紙版が100万部を突破、12のストアでほぼ同時発売された電子書籍版も空前の売り上げを記録した『スティーブ・ジョブズⅠ・Ⅱ』(講談社)。同書は内容のすばらしさもさることながら、「紙でも、電子でも」買える環境を新刊刊行と同時に広範に提供した初の書籍としても、後世に語り継がれるものになりそうだ。 だがそのことは同時に、従来の電子書籍の世界からは見えなかった課題も、あぶりだすことになった。紙と電子の書籍を横断検索できる「ブック・アサヒ・コム」の運営に携わる経験から、また発売日に複数の電子書籍ストアで同書を購入した個人的体験から、現段階でわかっていることを報告したい。 中心的なテーマは電子書籍の「探しにくさ」である。 電子書籍版『スティーブ・ジョブズ』の例から考える 発売前後の経緯を簡単に振り返ってみよう。各種報道によると、講談社は同書を当初2011年11月に発売する予定だったが、10月5日のジョブ

  • キンドルで読書体験の共有が可能に

    以前、藤井あやさんが「キンドル萌漫」で紹介してくれた、キンドル・ファームウェアのバージョン2.5へのアップデートがついに開始されたようです。うちのキンドルにも、昨日の午後に自動的にインストールされており、さっそくいろいろ試してみました。 キンドルストアから購入した電子書籍や、自分のパソコンからインストールしたPDFファイルがフォルダで管理できるようになったことや、PDF を拡大表示できるようになったことも大きいですが、今回のアップデートの最大のポイントは、読書中ののハイライト箇所をネット上で共有したり、ツイッターで呟いたりできる、「読書体験の共有」機能でしょう。 現状では英語でしか書き込めませんが、この機能を使えば、を読み進めながら、気に入ったフレーズに対するコメントをツイッター上でリアルタイムにつぶやいたり、同じを読み進めている人の感想を知ることができるなど、ゆるやかな「読書会」が

  • ePUB 世界の標準と日本語の調和

    求められるeBookの世界標準 ePUB とはIDPF(International Digital Publishing Forum)という電子書籍(eBook)標準化団体の推進するファイルフォーマット規格です。 人々がをeBook として当たり前のように読む時代になり、そのフォーマットがばらばらであったなら、読者としても、作者・出版社としても混乱が生じることは明らかです。今日に至るまで、このような混乱はなかったわけではありませんが、むしろ黎明期の市場開拓を担ってきたeBook のデバイス(端末)メーカーや、そのデバイスと深く絡んだ書店の主導するマーケティングに圧倒されて、問題が隠されてきた傾向があります。電子出版は、まだまだ市場の未成熟な時代の中にあったわけです。 2007 年末に米国で導入されたアマゾンのKindle は着実に浸透し、電子出版の意味を人々に強く印象づけました。アマゾン

  • インターネット・アーカイブのBookserver構想

    インターネット・アーカイブがとてもエキサイティングで、ことによると根的な変化を生むかもしれないBookServer構想を発表した。インターネット・アーカイブのブルースター・ケールとピーター・ブラントリー、おめでとう。これはグーグル、アマゾン、そしてアップルの真の競争相手になる可能性がある。 以下は、この発表イベントのフラン・トゥーランによる詳細な解説の再投稿である。 すべてが変わった日 フラン・トゥーラン (Fran Toolan) 分かってる、大げさに聞こえるタイトルだが信用してほしい。2009年10月19日を記憶すべき日として書き留めてくれ。 自分のキャリアにおいて、デモを見て「ぶっ飛ばされた」ことは滅多にない。今夜は「ぶっ飛ばされた」ことをとても説明できそうにない。その動きを追っておくべきだったのだろうが、僕はそれをしてなかった。完全に不意打ちをらった形である。チームを率いる優れ

  • 進化する図書館システム

    の未来を論じる上で避けては通れないものの一つが、図書館の役割だろう。さて、その図書館のうち、とくに図書館システムと呼ばれる、図書館が保有する資料を総合的に管理するシステムについて、昨今の日国内の動向を紹介したい。 図書館システムの惨憺たる現状 一般に図書館システムと言った場合、利用者の立場からすれば、図書館内にある蔵書検索端末を思い浮かべるだろう。これは図書館業界においてはOPAC(Online Public Access Catalogue)と呼ばれており、最近ではOPACをウェブ上で公開する図書館も増えている。ちなみに慶應義塾大学の上田修一教授の調査によれば、2009年3月31日時点で749ある大学図書館のうち、81.6%にあたる611館がウェブでOPACを公開している(ウェブOPAC)。 また、 日図書館協会の調べでは、2009年12月時点で全国の公共図書館(都道府県立、市区町

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