ジブリが出している「熱風」という雑誌がある。 そこに宮崎駿が2008年11月20日に日本外国特派員協会で質疑応答があったときのやりとりが採録されている。 宮崎駿が天才であることに異論のある人はいないだろう。 その天才はつよい思想に裏づけられている。 一読して驚いたのは、宮崎駿もまた「国内市場のサイズ」と「国内需要」を創作のキーワードに挙げていたことである。 宮崎はハンガリーの記者の「日本の観客と世界の観客の違いを意識しているか」という質問にこう答えている。 「実は何もわからないんです。僕は自分の目の前にいる子供達に向かって映画をつくります。子供達が見えなくなるときもあります。それで中年に向かって映画をつくってしまったりもします。でも、自分達のアニメーションが成り立ったのは日本の人口が一億を超えたからなんです。つまり日本の国内でペイラインに達することができる可能性を持つようになったからですか