手塚治虫の「MW(ムウ)」を読んだ。イケメン俳優の玉木宏が映画の宣伝でテレビに出ずっぱりで、彼はどんな秘密を抱えているというのか、気にはなるものの、かといってハリウッドばりのハデハデしい予告映像にはイマイチ魅力を感じず、映画館に出かけていくのも億劫だったからなのだが。 原作のほうは、邪悪な美青年・美智雄(映画では玉木宏が演じている)と、彼を昔から知る聖職者・賀来(同じく山田孝之)がキーパーソンで、悪魔が世界を支配とようとするのを阻止できるかという話である。 二人は住民全員が一瞬にして死に絶えた、小さな島の生き残りで(この出来事を国民はおろかマスコミも知らない。なんてことは、ありうるのかなぁと謀略史観につい突っ込んでしまったが)、手塚治虫は、日本政府が米軍との間に結ばれた核兵器の持ち込みに関する密約をモチーフにしていたのだとすぐにわかる。 これはあくまで物語の設定であって、手塚がテーマとした