がん幹細胞を標的とした治療のイメージ 【鍛治信太郎】がんを生み出す「がん幹細胞」の目印を京都大チームが見つけた。マウスの大腸がんでこの目印がついた細胞だけをつぶしたら、がん全体のほとんどが消えた。少ない副作用でがんだけを滅ぼす治療薬の開発に役立つという。米科学誌ネイチャージェネティクス電子版で3日、発表した。 神経や血液といった細胞には、自分自身が増えながら新しい細胞を生む幹細胞がある。がんにも同様にがん幹細胞があり、薬や放射線への抵抗力が強い。抗がん剤などで攻撃してもがん幹細胞が生き残り、そこから普通のがん細胞が増えて再発につながってしまうと考えられている。 がん幹細胞を集中攻撃できれば、がんを根絶やしにできると予想されるが、これまで見つかったがん幹細胞の目印は正常な幹細胞にもあるため、それを目標に攻撃すると強い副作用が出る問題があった。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくに