<技術の進歩で人は仕事から解放されるはずなのに、「おバカ仕事」で労働時間は増える一方だ> ホアキン・ガルシアはスペインの公務員で、少なくとも6年間は仕事をせずに給料をもらっていた。南部カディス市の水道局で働いていたが、上司が代わって閑職に追いやられたことがきっかけだ。 幻滅し、落ち込んだガルシアは、配置転換になったと言って同僚をだまし、家に籠もって読書三昧の日々を送っていた。嘘がばれたのは、勤続20年を迎えた彼を表彰する話が出た時のこと。それまでの間、彼の不在には誰も気付かなかった。 16年にガルシアに罰金刑が下され、話題になったこの一件は現代における「仕事」の意味を問い直すものだ。仕事には目的があり、社会で必要とされる機能を果たす行為と考えられてきた。だがガルシアの仕事には目的も役割もなく、やらずにいても誰も気付かないものだった。 世界的ベストセラー『負債論──貨幣と暴力の5000年』(
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