2020年は、劇場版アニメの大ヒットで『鬼滅の刃』が社会現象化した。アジア各国での公開に続き、2021年には北米、カナダでの公開も決定している。原作コミックスの発行部数累計は1億2千万部を超えた。 経済産業省のデータによると2016年の日本漫画の海外市場規模は11億2900万米ドル(注)。日本・海外両市場での中心的存在は、先述した『鬼滅の刃』など作者の熱がこめられた、上質な少年漫画の大ヒット作であることは間違いない。 だが、日本漫画を世界的なビジネスとして成り立たせているのは、それら大ヒット作だけではない。ある漫画編集者は、こう言い切った。「海面に飛び出した大ヒット作の下に、多種多様な作品が作る“豊かな海“がある。だから日本の漫画には力がある」。 では遠い国にいる漫画読者は、どのように「豊かな海」の中から自分にぴたりと合う漫画と出会い、その何を愛しているのか──。 2019年に福岡で行われ
![あるスコットランド人青年を虜にした、日本漫画の「あのシーン」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/15e3a3a9eee78f6feed74375c70619cf69fc532e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages.forbesjapan.com%2Fmedia%2Farticle%2F38728%2Fimages%2Fmain_image_38728575f37c22fd70ea31ebd37d89c85547e.png)