決まった本を買うだけならばネット書店で済む時代に、リアル書店が快適空間に進化していた。ビールやコーヒーを飲みながら、あるいは食事をしながら購入前の本をじっくり品定めできる“滞在型書店”が人気だ。独自の発信力に企業も注目。多彩なコラボレーションが書店の概念を変えそうだ。 ブックコーディネーターの内沼晋太郎さん(32)が7月、東京・下北沢に開業した「B&B」は、生ビール(500円)が飲める珍しい書店だ。 本棚に囲まれたテーブルで、ビール片手にページをめくる。お酒好きの客にはこの上ない幸福な時間だが、売り物が汚れるなど不安はなかった? 「やってみないと分からない。自分が読書にビール…が好きで始めたが、商品を汚されるロスよりも、ビールによって、ゆったりした大人の空間が作れるメリットの方がはるかに大きかった。書店で深刻な万引被害もなく、ビールがあればこそ注目もしてもらえる」と内沼さん。 目をつけたの