消費増税を予定通りに実施すべきだという論者はしばしば、「若者世代にツケを回さないように増税や歳出削減をすべきだ」と主張する。本当に若者や将来世代の負担が大きくなるのはどのような政策だろうか。 消費増税論者の意見の家元を探ると、財務省や財政学者に行き着くことが多い。 財務省の場合、増税をしてその結果、予算配分枠(歳出権)を増やし、予算配分権を行使することを仕事と心得ているので、マクロ経済にはそれほど関心をもたずに増税を主張しがちだ。 そうした財務省の意向を財政学者が代弁する際、ロジック(論理)として、経済学の「横断性条件」を用いることが多い。その条件とは、将来の国債残高がそれほど目立たなくなるというもので、厳密な数式表現では、無限先の国債残高は取るに足らない存在というわけだ。財政学者はこれを「将来の国債残高をその後の基礎的財政収支の黒字で完済すること」と経済的に解釈し、増税や歳出削減によって