金箔(きんぱく)などで豪華な装飾を施した「宮型霊柩車(れいきゅうしゃ)」が減少している。近年では、派手な葬送が敬遠され、住民への配慮から、条例で火葬場への入場を禁止する自治体もあるという。最近は、簡素な葬儀や密葬も増え、派手な装飾がない「洋型」や「バン型」が増え、宮型の存在感は薄まっている。(桑村朋) 創業97年「宮型」老舗メーカーも倒産 今年1月、宮型霊柩車の衰退を象徴する出来事が起きた。一部有識者から宮型の元祖とも評される大阪市鶴見区の霊柩車製造会社「セガワ」が、裁判所から破産手続きの開始決定を受けたのだ。大正9(1920)年創業で、業界では霊柩車製造の草分け的存在として知られていた。 代理人弁護士によると、霊柩車単価が下落し、受注減少による採算の悪化が影響したとみられる。かつて主力だった宮型も近年、需要は少なくなり、100年近く続いた同社の霊柩車作りは静かに幕を閉じた。 全体の1割…