「オウムの科学を解明せよ」。無差別テロ、地下鉄サリン事件の捜査で、こう命じられた元科学捜査官が、事件から26年となる中、捜査の秘話を明かしました。サリンの生成に関わった元死刑囚との間で“化学式の対話”が行われ、捜査が進められていたことが分かりました。 取材に応じたのは、元・警視庁科学捜査官で、医学博士の服藤恵三さんです。 平成7年3月20日に起きた地下鉄サリン事件では、14人が死亡、およそ6300人が被害に遭いました。 当日の朝、服藤さんは、地下鉄にまかれた液体をサリンと鑑定しますが、その後、押収された実験ノートを分析したことで事件捜査に関わるようになりました。 ノートには、サリンを示すとみられる「サッチャン」という表記や、物質の沸点や融点、凝固点の測定値が記されていました。 数値は文献に記されたものとほぼ一致し、サリンを作っていることをうかがわせるものでした。 「オウムの科学を解明せよ」
オウム真理教の後継団体の監視を行っている公安調査庁は、依然として松本智津夫元死刑囚への信仰が続いているほか、特に20代以下の若い信者が増えているとして警戒しています。 それによりますと信者の数は合わせておよそ1650人と10年前に比べるとおよそ150人増えています。 また信者のうち20代以下の割合はおよそ21%で、10年前の14%に比べて増加傾向にあることが分かりました。 公安調査庁によりますと特にアレフでは書店で宗教に関する本に興味がありそうな若者に声をかけたり、インターネットで自己啓発について書き込みをしている若者にSNSで接触したりして組織的に勧誘しているということです。 また団体名を隠してヨガ教室や勉強会への参加を勧めるなど、事件を知らない若い世代を取り込もうという動きがあるということです。 公安調査庁は後継団体について引き続き監視などを続けることにしています。 公安調査庁の児堀達
オウム真理教の一連の事件で死刑が確定していた6人の死刑が26日に執行されたことを受けて、公安調査庁は、オウム真理教から名前を変えたアレフの施設に立ち入り検査に入りました。信者への影響などについて把握を進めるものとみられます。 公安調査庁によりますと、この施設は、アレフでは全国で最大規模の活動拠点で、常駐している出家信者は10人程度とみられていますが、セミナーなどが行われる際には、北海道内だけでなく、全国から数百人の信者が訪れるということです。 公安調査庁は、オウム真理教の元代表の麻原彰晃、本名・松本智津夫元死刑囚らに刑が執行された今月6日にも、団体規制法に基づいてこの施設などに立ち入り検査を行っています。 今回も信者の様子などを確認し、死刑の執行による心理的な影響や生活状況の変化などがないか、把握を進めるものとみられます。 このうち札幌市白石区にあるアレフの施設では、26日午後1時ごろ、公
地下鉄サリン事件で霞ケ関駅の助役だった夫の一正さんを亡くし、被害者の会の代表を務める高橋シズヱさんは、都内で記者会見しました。 高橋さんは「13人の死刑が執行されて刑事司法としては終わったことになるが、私は司法関係者ではないので、事件が終わったという感覚はない。後遺症を抱えている人もいて被害はまだ続いていて、つらいなと思う」と話しました。 教団に殺害された坂本堤弁護士と同期で、オウム真理教犯罪被害者支援機構の副理事長を務める中村裕二弁護士は、記者会見で、「岡崎死刑囚は、坂本弁護士一家殺害について、遺体を遺棄した現場の情報を警察に匿名で手紙を送っていたが、その時点できちんと自首していれば、その後の松本サリン事件や地下鉄サリン事件など、多くの事件が起きなかったと思うと残念だ」と話しました。 そのうえで、「被害者に23年間、寄り添ってきて、殺人事件などの凶悪な事件が少しでも減り、被害者への支援が
平成6年に長野県松本市で起きた「松本サリン事件」で、当初、事件への関与を疑われ、妻も犠牲になった河野義行さん(68)は、死刑の執行について「オウム事件そのものの真相が明らかになっておらず、なぜここまで早急に続けて執行しなければならないのか、その経緯を国が説明すべきではないか」と話しました。 そのうえで「死刑囚は長い間自由を奪われていた。死刑の執行をもって罪を償ったのだから、これで普通の人になれたのだと思う。私としては冥福を祈るしかない。一方で、死刑囚の遺族の人たちはつらい思いをされていると思う。そっとしておいてあげたい」と話しました。 最後に「事件は起きてしまったことであり、もう元には戻れない。私の中では10年前に妻が亡くなった時点で事件は終わったが、被害者の中には今も苦しんでいる人がいて、そういう意味で事件は終わっておらず、真相も分からないままだ」と述べました。
オウム真理教の一連の事件で死刑が確定している林泰男死刑囚ら2人に死刑が執行されたことが、関係者への取材でわかりました。教団の元代表の麻原彰晃、本名・松本智津夫元死刑囚ら7人には、今月6日に刑が執行されていて残る6人の刑の執行が焦点になっていました。 平成7年3月から始まった強制捜査では192人が起訴され、首謀者とされた松本元死刑囚など13人の死刑が確定しました。 一部の元信者が逃亡を続けたため刑事裁判は長期化しましたが、ことし1月に地下鉄サリン事件などに関わった高橋克也受刑者の上告が退けられたことで終結し、死刑囚が事件について証言を求められる機会がなくなりました。 その後、一部の死刑囚は東京拘置所から全国5か所の拘置所や拘置支所へ移送され、今月6日、元代表の麻原彰晃、本名・松本智津夫元死刑囚ら7人に刑が執行されました。 ほかの6人は東京拘置所、名古屋拘置所、仙台拘置支所に収容されていました
オウム真理教元代表の麻原彰晃、本名・松本智津夫元死刑囚の遺骨を法務省が引き渡すことを検討している四女の代理人の弁護士が会見し、「遺骨を引き受け海に散骨したい」という意向を示しました。 これについて四女の代理人を務める滝本太郎弁護士が11日、都内で記者会見し、四女には遺骨を引き取る意思があるとしたうえで、「遺骨はパウダー状にして太平洋上に船から散骨したい」という意向を示しました。そのうえで、「遺骨を奪還しようとする信者に攻撃される危険性がある」として、11日、四女や自身への警備と散骨の費用などを支援するよう警察や公安調査庁などに要請したということです。 滝本弁護士は「松本元死刑囚に帰依する者がいまだに存在する以上、山などに遺骨を埋めればその場所が信者の聖地になってしまうが、海にまけば、その心配はない」などとしています。 また松本元死刑囚の妻と四女以外の4人の子どもが、遺骨を引き渡すよう求めて
オウム真理教の一連の事件で、今月6日に死刑が執行された元代表の麻原彰晃、本名 松本智津夫元死刑囚の遺体について、法務省は近く火葬し、教団とは関係を絶ったとされる元死刑囚の四女側に引き渡す方針を決めました。 関係者によりますと、法務省は松本元死刑囚が執行前に示した意向に基づいて、遺体を29歳の四女に引き渡す方向で代理人の弁護士などと調整を進めてきました。 その結果、遺体は火葬したうえで四女側に遺骨を引き渡す方針を決めたということです。 四女は去年、両親と縁を切ったとして都内で会見を開くなど、教団との関係を絶っているとされています。 一方、妻と4人のほかの子どもたちは「元死刑囚の精神状態からすれば、特定の人を引き取り人として指定することはありえない」として、遺体を妻に引き渡すよう要望していますが、法務省は規定に基づいて、親族の希望より本人の執行前の意向が優先されるとして、妻らの要望には応じない
地下鉄サリン事件で駅員の夫を亡くし、被害者の会の代表を務めている高橋シズヱさんは「高橋克也被告の裁判が終わってまもなく執行ということはわかっていたので、その時がきた、ということでしかないです。ただ、事件から23年以上経ってしまい、この執行を知ることなしに亡くなった夫の両親や、私のことを心配してくれていた私の両親にとっては残念だったと思います。遺族は真実を知りたいと思っていると思われているようですが、私は松本死刑囚からは真実を知りたいとは思っておりませんでしたので、やっと執行された、という思いです」と話しています。 平成7年3月に起きた地下鉄サリン事件。高橋シズヱさんの夫で、霞ケ関駅の助役だった一正さんはサリンが入った袋を地下鉄の車両から片づけていたときに倒れ、亡くなりました。 なぜ夫が犠牲になったのか知りたいという一心で裁判を傍聴するようになり、回数は500回近くにのぼりました。 東京・霞
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