手元に1982年刊行の『オフィスオートメーション入門』という本がある。まだファックスがようやく普及し始めた時期のオフィスの話が書かれている。事務所に人がいなくても発注書類を受け取ることができる。しかも電話の発注と違って、発注ミスが減る。これはすごい。そんな事務作業の機械化が進めば、日本企業はもっと発展する。現代の「DX」や「リスキリング」みたいなことは、40年前のほうが実感や熱量をもって受け入れられていたようだ。 当時のオフィスオートメーション革命の中心は、コンピューターだった。コンピューターがあれば、ファックスで送られてきた書類をOCRで読み込んで電子化して共有できると本に書かれている。この頃のコンピューターは、電話やファックス、タイムレコーダーなどのアナログ機器を接続して管理するために使うものと考えられていた。いまの世から見れば、ファックスの書類をわざわざOCRにかけたりするのは無駄に