これは 人工知能アドベントカレンダー の2日目の記事です。 はじめに 脳は言うまでもなく動物の知性の中枢であり、この器官を持つからこそ、私が書いたこの文章をあなたが読めるわけです。 この 1.5 kg 程度のピンク色の器官は、多数の神経細胞が相互に接続してネットワークを形成しており、それによって様々な能力を発揮しています。 脳の質量は体重の2%もありませんが、血液は心拍出量の15%、酸素は全身消費量の20%、ブドウ糖の消費は全身の25%と相当エネルギーを食っています*1。 ただ、逆に考えると脳の消費電力は20W程度と考えられていますから、ノートパソコンの半分くらい*2の消費電力で済んでいるのでずいぶん省エネルギーではないでしょうか。 本稿では、まずはこの脳という存在がどのようなものなのかについて、ヒトのそれを中心に、その概観を探っていきましょう。 外観 頭皮を切り開き、頭蓋骨を取り除くと、