ブックマーク / realsound.jp (14)

  • BLの源流『JUNE』元編集長・佐川俊彦インタビュー「女の子は美少年の着ぐるみを着ると自由になる」

    1978年に『Comic Jun』として創刊され、同名ブランド「JUN」があったことから第3号より『JUNE』と改題されたこの雑誌は、女性向けの男性同性愛をテーマとした点で後のBL(ボーイズラブ)の源流となった。かつて“JUNE”は、このジャンルの総称でもあったのである。マンガ中心の同誌は一時休刊をはさみつつ1980年代に熱心なファンを獲得し、1982年より姉妹誌『小説JUNE』も発行された。だが、BL台頭後はテイストの違いから退潮を余儀なくされ、2013年に『JUNE』ブランドの雑誌は姿を消した。『JUNEの時代 BLの夜明け前』は、アルバイト時代に同誌を企画して編集に携わり、やがて編集長となった佐川俊彦の回顧録である。彼は、時代の推移をどのように見つめていたのか。(円堂都司昭/6月10日取材・構成) 改題前の創刊2号と改題後の3号 ――若い頃からマンガに親しむなかで、『JUNE』という

    BLの源流『JUNE』元編集長・佐川俊彦インタビュー「女の子は美少年の着ぐるみを着ると自由になる」
  • 日本と中国で根本から違う「ゲーム作り」の考え方  『原神』『崩壊』で約5400億円の売上を叩き出したmiHoYoの快進撃から読み解く

    アプリのセールスランキングに名前が載っているのだから、比較対象は同じくそこに名を連ねている作品であるべきなのだが、稿ではそれを基準に考えることに対して提言を試みたい。ひとくちに「スマホゲー」と言っても、そこにある体験は千差万別である。したがって、そこに当てはめて考えることによって解像度が下がる作品もあるはずだ。 筆者は『原神』や『崩壊』シリーズがそれに当たると考えている。中国出身の友人(日ゲーム会社に務めているアラサー世代)いわく、「日中国におけるゲーム作りは根から考え方が違う」という。多くの場合、日ゲームメイカーは「スマホゲーム」として制作する場合、明確にスマホ用として開発する。一方、中国ゲームデザインは、先にゲームの体験や内容から考えるという。そこにコンシューマかスマホかといった区別はなく、それゆえにマルチプラットフォームであることが求められるのだと。これについては『

    日本と中国で根本から違う「ゲーム作り」の考え方  『原神』『崩壊』で約5400億円の売上を叩き出したmiHoYoの快進撃から読み解く
  • 『ラブライブ!』の大人気キャラを描いた室田雄平 自身のイラストを「賞味期限切れ」と語る理由と次なる挑戦

    『ラブライブ!』の大人気キャラを描いた室田雄平 自身のイラストを「賞味期限切れ」と語る理由と次なる挑戦 24歳にして突如、『ラブライブ!』シリーズのキャラクターデザイナーに抜擢され、数々のかわいらしいキャラクターを生み出し、人気を牽引するアニメーターになった室田雄平。シリーズの人気は第2作『ラブライブ!サンシャイン!!』で頂点に達し、話題を席巻した。 室田は2010年代のアニメ界で、もっとも目にされたキャラクターをデザインした一人といえるだろう。ジャケットのイラストを描いたCDはヒットチャートの常連になり、『ラブライブ!サンシャイン!!』の舞台となった静岡県沼津市には聖地巡礼に押し寄せる“ラブライバー”が続出。さらに作品から生まれたアイドルグループは紅白歌合戦にも出場し、そのアニメ制作にも関わったほどである。 しかし、室田は著書『アニメーター室田雄平が考える ヒットするキャラクターデザイン

    『ラブライブ!』の大人気キャラを描いた室田雄平 自身のイラストを「賞味期限切れ」と語る理由と次なる挑戦
  • NTTドコモ、大規模な通信障害か 電話などが「繋がらない」の声相次ぐ

    7月19日9時58分現在、NTTドコモの回線に何かしらの障害が見られ、さまざまなユーザーから通話が繋がらないという症状が報告されている。 NTTドコモの障害発生マップによると、現在は全国的に障害が発生している模様。早期の復旧と、原因の究明が求められる。NTTドコモからはいまだ公式なアナウンスはなく、詳細についての情報が待たれるところだ。

    NTTドコモ、大規模な通信障害か 電話などが「繋がらない」の声相次ぐ
  • 『鬼滅の刃』はなぜ「完結」したのか 物語の続け方/終わらせ方を考える

    どうしたら『鬼滅の刃』の連載は続くのか? ジャンプ誌でクライマックスを迎えようとしていた2020年の春頃は、ネット上でそんな妄想やネタがよく繰り広げられていた。 特に比較されやすかったのが、「吸血鬼(鬼)退治」や呼吸法など、多くの共通点の見付かる『ジョジョの奇妙な冒険』の第1~2部だった。確かに「ボスキャラ交代」や「主人公交代」を利用した作品寿命の延長は、『DRAGON BALL』と並んで少年漫画の王道であるようにも思える。 主人公と敵勢力の交代が行われた『ジョジョの奇妙な冒険』5巻 連載中は「鬼舞辻無惨がラスボスで終了」なのかすら読者には判断不可能だったが、結果として2020年5月に最終話が掲載。ジャンプ漫画としては完結するのが早かった……というイメージが独り歩きしがちかもしれないが、ちょうど23巻で大団円を迎えたジャンプ作品なら『封神演義』(96年~)や『ヒカルの碁』(99年~)、『

    『鬼滅の刃』はなぜ「完結」したのか 物語の続け方/終わらせ方を考える
  • こんな『FF』を待っていたーー『FINAL FANTASY 16』は原点回帰の王道中世ファンタジーに

    2020年7月17日、Play Station 5の発表会でSQUARE ENIXが手掛けるアクションRPG『FINAL FANTASY 16』が発表された。前作『XV』とは打って変わって中世ファンタジーをイメージさせる作のPVは、多くのFFファンに衝撃を与えた。そこで、今回の発表内容から『FINAL FANTASY 16』に期待できる点をまとめた。 ”ホスト路線”を脱却か 誰もが憧れる王道中世ファンタジーの世界観に 『FINAL FANTASY 16』の発表でとりわけ印象的だったのは、あまりにも直球な中世ファンタジーの世界観ではないだろうか。そもそも、初期のFFシリーズは、神秘的な力を秘めたクリスタルを巡る王道ファンタジーRPGだった。しかし、大ヒットを記録した『FINAL FANTASY 7』以降は、現代的・未来的かつ魔法と科学が融合した独特の世界観を持つ作品が増えた。 FFに対して

    こんな『FF』を待っていたーー『FINAL FANTASY 16』は原点回帰の王道中世ファンタジーに
  • 『MIU404』が『アンナチュラル』の世界線と繋がっている意味 ガマさんと中堂の運命の対比

    どうして、こんな目に遭わなければならないのか。なぜ、こんな理不尽なことが起こるのか。私たちは、最愛の人を「不条理な死」で失ったとしても、どんなに胸が引き裂かれる思いをしても、命ある限り生きていかなければならない。「許さない」「許せない」その憎悪の渦に、心を持っていかれてしまう可能性は、誰にだってある。どんなに多くの人を救った人であっても、自分がどれだけ救いたかった人でも……。 金曜ドラマ『MIU404』(TBS系)第8話の副題は「君の笑顔」。伊吹(綾野剛)の恩人、元ベテラン刑事の蒲郡、通称ガマさん(小日向文世)は「もうずっと麗子の笑った顔が思い出せない」とぼやく。それは、認知症によって亡くしたの記憶が戻らないのではなく、ガマさんの心の闇が隠しているものだった。 私たちは悲しみに打ちのめされると、手のひらからこぼれ落ちた幸せを直視できず、愛する人の笑顔を思い出すのも辛くなってくる。そのうち

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  • Twitterが厳しい成人向けコンテンツの規制強化 他のSNSに追随する

    表現に関するガイドラインが比較的緩やかだったことで知られるTwitterが、ここにきて規制を強化する動きを見せていることが分かった。 過去1年間、FacebookとInstagramは、プラットフォームのクリーンアップを行い、アダルトコンテンツのクリエーターが存在することをほとんど不可能にした。Twitterもこの動きに追随していることが考えられる。 成人向け画像・動画は投稿出来ない 『The Next Web』は「アダルトコンテンツクリエーターは懸念」と報じている(参考:https://thenextweb.com/tech/2019/12/05/twitter-to-follow-facebook-and-instagram-with-new-anti-nsfw-guidelines/)。 このようなアーティストがオンラインで生計を立てる環境が悪化する発端は、昨年、Tumblrが成人向

    Twitterが厳しい成人向けコンテンツの規制強化 他のSNSに追随する
  • 同棲中の男性の8割は結婚する気なし? 伝説の結婚相談所『結婚物語。』所長が語る、婚活のリアル

    連載中の小説婚活迷子、お助けします。 仲人・結城華音の縁結び手帳』。著者の橘ももが、小説を書くきっかけとなったのは、兵庫に実在する結婚相談所結婚物語。』のブログを読んだこと。そこで連載開始にあたって、所長の苅谷昌浩氏にインタビュー! 結婚相談所の裏側を教えていただきました。(橘もも) 『婚活迷子、お助けします。 仲人・結城華音の縁結び手帳』第1話 『婚活迷子、お助けします。 仲人・結城華音の縁結び手帳』第2話 仲人さんを介す結婚相談所を利用するメリットとは 苅谷昌浩氏 ――アプリやネットで手軽に婚活できる今、初期費用がかかる結婚相談所に対しては、ハードルが高いと感じる人もいると思います。「そこまで焦ってると思われたくない」「自然に出会いたい」という人も多いでしょうし。 苅谷:その気持ちはとてもよくわかります。ただ、アプリ婚活の目的はあくまでも“出会い”であって、結婚ではないんですよ。出

    同棲中の男性の8割は結婚する気なし? 伝説の結婚相談所『結婚物語。』所長が語る、婚活のリアル
  • KinKi Kids堂本光一、『FF11』を7年間プレイしていたと告白 剛「切な……恐ろしい……」

    KinKi Kidsの堂光一、堂剛が6月17日に放送されたラジオ番組『KinKi Kids どんなもんヤ!』(文化放送)にて、「思い入れのあるゲーム」というテーマでトークを繰り広げた。 番組では、リスナーから寄せられたメールを紹介。そこには、先日『週刊ファミ通』で実施された「平成のゲーム最高の1」を決めるアンケート調査にて「クロノトリガー」が1位になったことに触れつつ、「お二人にとって思い入れのあるゲームは何ですか?」と書かれていた。 このメールを受けて光一は「意外やな。『クロノトリガー』なんだ」と同作の1位獲得に驚いた様子。「ドラクエとかファイナルファンタジーっていうのは、もう昭和になるってこと? 1作目が昭和だから、『それは昭和の作品にしましょう』みたいな感じかな?」と推察し、「だってあの社会現象的に、絶対にそっちのほうが上にきそうやん!」とイマイチ納得がいかないようだった。 ア

    KinKi Kids堂本光一、『FF11』を7年間プレイしていたと告白 剛「切な……恐ろしい……」
  • 『映画刀剣乱舞』を傑作たらしめた小林靖子による脚本 “内と外”に向けた構造を読み解く

    かつて宮崎駿や押井守、庵野秀明という才能たちと出会った時に似た興奮で、ある映画とある優れた脚家について語りたい気持ちが続いている。公開後最初の月曜、通い慣れた川崎の映画館で、僕は『映画刀剣乱舞』を観た。初めに言ってしまうと、僕は原作のゲームをプレイしたことがない。だから僕が今から書くことは、もしかしたら熱心な原作ファンにとっては当然すぎたり、あるいは少しズレていることなのかもしれない。でも僕はこの映画を見ながら、昔観た懐かしい映画を幾つも思い出していた。雑誌『H』(ロッキング・オン刊)のインタビューで、刀剣男士・鶯丸を演じた廣瀬智紀が「この映画は時代を変える可能性のある作品だ」と語るのを後日読んだけれど、僕が映画館で思い出したのも、そうしたサブカルチャーの歴史を変えた作品たちだ。『刀剣乱舞』は間違いなくそれらの作品群に並ぶ、日の女子ゲーム文化にとってのエポックメイキングな作品だと思う。

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  • 小野寺系の『未来のミライ』評:いままでの細田作品の問題が、作家的深化とともに表面化

    細田守監督の最新作『未来のミライ』に、SNSなどで容赦ない批判の声が浴びせられている。編よりも、その開始前に上映された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』特報の方に話題が集中するという珍事まで起きてしまったほどだ。 近年の細田作品は、公開規模の拡大も影響して、作家性の深化とともに賛否が飛び交うケースが確かに多くなっていたといえる。だが今回の『未来のミライ』については、否定的な声が賛辞の声を圧倒しているのだ。これは細田監督の劇場作品としては、いままでになかった事態である。 果たして作『未来のミライ』の映画作品としての出来は、実際どうだったのだろうか。ここでは作の内容や、細田監督の過去作の比較などを通し、歯に衣を着せず批評しながら、なぜそのような否定的な意見が巻き起こったのかを考えていきたい。 描かれるのは、小さな世界と大きな世界 『未来のミライ』は、横浜の海沿いの景色を俯瞰した眺めを映し出

    小野寺系の『未来のミライ』評:いままでの細田作品の問題が、作家的深化とともに表面化
  • 映画『恋は雨上がりのように』のトーンを決定づけた、大泉洋の絶妙なバランス

    『恋は雨上がりのように』は、女子高生の橘あきらが、バイト先のファミレスの店長で45歳の近藤正己に恋をする話だ。この設定を聞いたとき、都合のよいファンタジーになっていたら嫌だなと思ったし、少しでもそういうところが見えれば、がっかりするだろうなと思っていた。しかし、映画を観ても、そんな描写が見当たらない。 店長は、あきらのことを女子高生という記号で見ているところがないのだ。それを表しているのが、あきらが好意からじっと見つめているのに対し、店長は、それを好意の逆で嫌われているからこその視線の強さだと勘違いしていたというところだろう。 そんな気の弱さをコミカルに演じている大泉洋がこの映画のトーンを決定していると思う。原作は、店長があきらの気持ちに揺れる部分がウェットに描かれていたが、映画はときに笑え、そして泣けるさわやかな青春映画になっていると感じる。同時に、中年ともいえる男性の、これまでにない魅

    映画『恋は雨上がりのように』のトーンを決定づけた、大泉洋の絶妙なバランス
  • 菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評:世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね

    *以下のテキストは、 マスメディアがアカデミー賞レースの報道を一斉に始める前の、2月20日に入稿、更に4日前に書かれたもので、つまり所謂 「あとだしジャンケン」ではない旨、冒頭に強調しておく。 今時これほど手放しで褒められてる映画があるだろうか? 当連載は、英語圏の作品を扱わないので今回は<特別編>となる。筆者は映画評論家として3流だと思うが、作は、複数のメディアから批評の依頼があった。大人気である。「全く褒められませんよ」「こんな映画にヒーヒー言ってるバカにいやがられるだけの原稿しか書けませんけど」と固辞しても、どうしても書けという。 そりゃあそうだ。筆者は一度だけヤフーニュースのトップページに名前が出たことがある。ジャズの名門インパルス!レーベルと、米国人以外で初めて契約したから? 違う。女優の菊地凛子を歌手デビューさせたから? 違う。正解は「『セッション』を自分のブログで酷評したか

    菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評:世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね
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