三国志で知られる後漢末期、皇帝に取り入った十常侍(じゅうじょうじ)と呼ばれる宦官たちが権勢をほしいままにし、王朝の滅亡を早めた。安倍晋三・首相の周囲にも、総理の威を借りて大臣以上の力を持ち、行政をねじまげてきた7人の“君側の奸(くんそくのかん)”がいる。 その筆頭が「総理の振付師」と呼ばれる今井尚哉・総理首席秘書官だ。「今井ちゃんはすごく頭がいいんだよ」。安倍首相は今井氏をそう絶賛する。 父は勤務医で、宇都宮高校から1浪して東大法学部に入学し、通産省(現・経済産業省)に入省(1982年)。第一次安倍内閣で総理秘書官を務めたことで首相の信頼を得た。父方の伯父は城山三郎の『官僚たちの夏』のモデルの1人である今井善衛・元通産事務次官、もう1人の叔父は今井敬・元経団連会長という官界のサラブレッドで、省内では“将来の事務次官候補”と見られていた。 しかし、安倍氏は首相に返り咲くと資源エネルギー庁次長
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