都市をたたむ―人口減少時代をデザインする都市計画 [著]饗庭伸 日本では人口の91・3%が都市に住む。この世界最大の都市化国家は経済成長と共に形成された。都市に移り住む人々が土地と住宅を求めた結果、巨大なマネーフローが生まれ、経済成長に拍車が掛かると更に人々が都市に惹(ひ)きつけられる循環がつくられた。 だが都市と経済の蜜月は終わった。「青い鳥」を追うのは止(や)めよと著者は書く。理想のニュータウンを求めてきた行政主導の手法を踏襲し、人口減少社会に相応(ふさわ)しいコンパクトで高効率の都市を夢見ても画餅(がべい)に終わる。それより空き家、空き地の穴があちこちに開き始めたスポンジ状の都市の現状を真摯(しんし)に見つめ、そこにあるコミュニティーを活(い)かす道を探るべきだ、と。 「上」から与えられる都市に生活をあてはめるのではない。目指すべき豊かさは何かを考え、それを実現する手段として都市を使
![「都市をたたむ」書評 豊かさは、生活レベルで考える|好書好日](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/62270c12c5296bc480106dcabcc2f07035b179db/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fp.potaufeu.asahi.com%2Fbook%2Fimg%2Fcommon%2Flogo_ogp.jpg)