「医療の購入優先順位(purchase priority)は食料、住居に次いで高いから医療費は高くなる」という説に根拠はない。衣服や交通手段がなければ病院に行けないから、それらの優先順位は医療より高い。それでも衣服や交通手段の値段は医療ほど高くならない。 医療業界には市場の作用(market processes)がない。新製品が出ても市場競争にさらされないので、新薬や新型機器は途方もなく高い値段で売られ、保険会社は値切りもせず支払う。当然、コストは高騰する。 問題の根本は政府に保護された大手製薬会社(Big Pharma)と、政府が強制する医療保険だ。医療の官製「市場」には規制のため競争がほとんどないので、もっと自由な市場のある産業と違い、技術が進歩しても値段が下がらない。