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患者にがんの告知をすることは、今や一種の「常識」となっている。有名人が会見やブログなどでがんを告白することも珍しくない。 患者自身が自らの病気を正しく知り、治療法などを自ら選択する、それが患者にとって一番大切だ――というのが、告知の前提となる考え方だろう。 しかし、理屈としては告知するのが正しいのかもしれないが、「自分の身内に告知するのは抵抗がある」「自分自身には告知して欲しくない」という気持ちの人もいるのではないだろうか。 現場の医師はどのように考えているのか。日本赤十字社医療センターの化学療法科部長、里見清一氏は、新書『医者と患者のコミュニケーション論』で、次のように述べている(以下、同書より)。 *** ■「告知」はアメリカからやってきた 癌の患者さんに病名告知を行うのは、今となってはごく当たり前になってしまったようである。 以前は、「本人に癌だなんて言うなんてとんでもない、信じられ
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