改元直前、皇族を標的にした前代未聞の事件が発生した。すぐさま集められたのは警視庁捜査一課や、専門部隊『SSBC』の凄腕捜査員たち。彼らは「正体不明の男」をいかに追い詰めたのか。発売中の『週刊現代』が特集する。 神奈川県のJR平塚駅から徒歩4分ほどの場所にある「東横イン湘南平塚駅北口1」。4月29日の午後9時すぎ、大型連休の真っ只中で、オフィスビルが立ち並ぶ平塚駅前は人影がまばらだった。 しかし、この東横インの周囲にだけは、黒塗りの車が数台停まり、大柄な男たちが20人近くたむろしていた。 9時15分すぎ、一人の男が正面玄関からホテルに入ってきた。小柄で、髪は丸刈り。メガネを掛けた、黒色のジャンパーに黒色の長ズボン姿の男だ。フロントで鍵を受け取ろうとした瞬間、スーツ姿の二人の男が彼の両腕を摑んだ。 「長谷川薫で間違いないな。警視庁だ」 男が答える間もなく、5~6人の男たちが周囲を囲み、手錠を掛