最近の報道で、私が強い印象を受けた発言と言えば、一つは、スウェーデンの高校生であり環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんの国連でのスピーチであり、もう一つは、ローマカトリックのフランシスコ教皇が広島・長崎で行った演説で、これは私ばかりではなく、多くの人々の記憶に残るものとなったでしょう。 気候危機への早急な対策を激越な口調で促す、10代のグレタさんのスピーチと、核兵器の使用も保有も倫理的に許されないという、80歳を超える教皇の穏やかながら断固たる主張も、一見対照的でありながら、これら二つの発言には共通するものがあります。それは「現実を知らない」「ただの理想論」と批判されやすいだろうということです。 グレタさんの発言は、実際に各国の「現実」的な為政者や中高年層から繰り返し批判されていますし(あの言い方のせいもあるでしょう。しかし、怒りの唯一の効能は、問題の所在を一挙に劇的に露わにすることです)
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