バグが排除される社会は本当に幸せなのか 家入一真氏(以下、家入):この前、友人のファッションデザイナーの人から呼び出されて言われたんです。 「家入さん、最近若い子たちはみんな、社会のために何かしたいって言うじゃん。家入さんもよく『社会を良くしたい』って言うよね。それはすごくわかるんだけど、俺らみたいなファッションデザイナーって、地球にとってバグみたいな存在だと思っていて。昔はもっとバグみたいな人間もいたよね」って。 「だけど、社会を良くしたい。地球を良くしたい。SDGsってみんなが言ってるけど、これって地球っていう生命体に俺らが取り込まれてるんじゃない?」と。バグが排除される世界になってきているんじゃないかって言われて、なるほどと思ったんです。 確かに生きる上では、社会が良いほうがいい。差別がないほうがいいし、貧困もないほうがいいし、食べるものに困ることもなくなったほうがいいし、水が普通に