「新幹線図書館」。そんな愛称で、昭島市民図書館の分室として親しまれた東海道新幹線「0系」の車両を美しく修復しようと、市が29日から、改修費のクラウドファンディング(CF)を始める。図書館としての役割を終えて以降、野ざらしで老朽化が進むが、市民や鉄道ファンらの協力を得てよみがえるか。 JR青梅線に沿って市内を西に向かうと、左手に新幹線が現れた。市立つつじが丘公園内に置かれた車両は、白い車体にブルーの太いラインというノスタルジックな姿を保つ。が、近づいてみれば、そこかしこで塗料が剝がれ、赤いさびや黒い汚れが目立つ。誰かが壁当てにでも使ったのか、ボールの跡も残っていた。 2020年まで約30年の間、子どもたちが本をよりどころに集ったにぎやかさは見る影もない。「今の姿を見ると目を覆いたくなる」と臼井伸介市長。今回、市が目指すのは図書館としてではなく、オブジェとしての復活。ランドマークの一つにしたい