【台北=源一秀】台湾の行政院(内閣)新聞局は9月29日、尖閣諸島(台湾名・釣魚台列島)沖の中国漁船衝突事件に関して、「釣魚台の主権をめぐり台湾と中国の間に争いは存在しない。中国は我々の領土であり、中国が釣魚台を自国領と述べることに異議は唱えない」とする声明を発表した。 台湾の馬英九政権は、「一つの中国」の原則を認めている。声明は、これに基づき、大陸の共産党政権が尖閣諸島に対する主権を主張することに問題はないとの考えを示したものだ。 ただ、声明は一方で、「この問題を中国と共同で処理することはない」とも表明した。中台連携に神経をとがらせる日本や米国にも一定の配慮を示したとみられる。 漁船衝突事件発生後の9月13日、台湾漁船が尖閣諸島に接近した際、台湾当局は、巡視船など12隻を同行させ、中国との連帯をアピールしていた。