【バンコク=田原徳容】タイの首都バンコクで10日夜、タクシン元首相派の反政府勢力「反独裁民主戦線(UDD)」と軍との衝突で死亡したロイター通信日本支局の村本博之さんは、衝突の瞬間を取材しようと、双方がにらみ合う最前線に立っていて銃弾に倒れた。 病院では、同僚らが「取材者まで巻き込むデモは許せない」と泣き叫んだ。 村本さんは、UDDが拠点とするバンコク西部ファンファ橋に近いコクウオ交差点付近で、軍とUDDの衝突に巻き込まれ、左胸を撃たれた。 軍は、ゴム弾と主張している。撃たれた時はまだ息があったが、救急車で搬送中に出血多量で亡くなった。村本さんは、髪が肩まであり、記者証を所持していた。 村本さんが運ばれた病院には、ロイター通信バンコク支局の同僚らが駆けつけ、「なんでこんなことに」「どうしたらいいのか」と途方に暮れていた。 病院1階奥の集中治療室に安置された遺体には、関係者も近づくことが許され