ライトノベルやコミックを原作にしたアニメ映画が躍進している。質の高い作品群が「オタク」以外の映像ファンにまで観客層を広げ、いまや大手制作会社も熱い視線を注ぐ。 これまでは単館上映が主流のため数千万円規模の興行収入にとどまり、DVDなどの販売で採算を合わせてきたが、この作品群に今年、地殻変動が起きている。上映館数を拡大し、興収1億円を軽々と超えるヒット作が相次いでいるのだ。 「涼宮ハルヒの消失」は全国25館で公開。2月の公開から2カ月余りで興収7億2千万円をたたき出した。これは実写の娯楽作でも大ヒットといえる数字だ。 1月公開の「Fate/stay night」は約2億6千万円(4月11日時点)。同月公開の「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st」は約3億5千万円(同)と、快進撃を続けている。 ブームの火付け役とされるのが、奈須きのこの伝奇ノベルをアニメ化した「空の境界」だ。7部