序論 本研究では、1990年代から2000年代までに発売されたビデオゲームが、アメリカでどのように受容されているかを、ゲーム音楽のサンプリングから生まれたヒップホップ音楽を通して分析する調査を行なった。 この時代設定は自分が90年代生まれで、幼い頃からビデオゲームに慣れ親しんできたことに端を発している。同世代の米国の若者がゲームをどのように受け止めてきたかを知ることで、自分を新しい角度から客観的に捉え直すことができるのではと思ったのが、研究の動機である。 またゲーム音楽にスポットライトを当てるにしても、およそ半世紀以上のビデオゲームの歴史がある以上、年代をある程度絞った調査を行うことで、その他の分野における研究の参考にもなるのではと思い調査に臨んだ。 ゲーム音楽に限らずビデオゲームカルチャーへの注目は2019年現在で世界的に大きくなっていると見ているが、この研究がそういった動向を追う上でも