報道陣の取材に応じる、亡くなったウィシュマ・サンダマリさんの妹ワヨミさん(左)とポールニマさん(中)。右は代理人の指宿昭一弁護士=10日、東京・霞が関で 名古屋出入国在留管理局に収容中のスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡した問題で、遺族らは10日、生前の様子を収めた監視カメラ映像の開示を求め、出入国管理庁を訪れた。遺族は代理人弁護士の同席を求めたが認められず、この日の視聴を見送った。
自治体や学校単位でチケットを購入し、児童や生徒に東京パラリンピックの観戦機会を提供する「学校連携観戦プログラム」について、横浜、海老名市が参加中止を決めたことが17日、県教育委員会への取材で分かった。新型コロナウイルス感染への懸念が理由。 県内では、両市の小中学生ら1000人が新国立競技場(東京都新宿区)で開催される陸上の観戦を予定していた。海老名市教委の担当者は「県境をまたぐ移動となり、感染リスクが高まる可能性がある。緊急事態宣言が発令されていることも考慮した」と説明した。 東京五輪・パラリンピック組織委員会は16日、東京、埼玉、千葉、静岡の1都3県の全会場を原則無観客とすると発表した。同プログラムは自治体や学校が希望する場合に実施するとしていて、県教委が両市に意向を確認した。(酒井翔平)
新型コロナウイルスワクチンの1回目を、国民の約半数が打ち終えた。データが蓄積され、米ファイザー製、米モデルナ製それぞれの特徴が見えてきた。厚生労働省の研究では、モデルナ接種後に発熱した人の割合はファイザー接種後の2~3倍に上ると判明。諸外国より突出して多く、日本特有の現象だ。2回のワクチン接種を完了しても陽性になる「ブレークスルー(突破)感染」の危険性も残る。(沢田千秋) 「頑強な自衛隊の方でさえ、4割が病休したのはちょっとショック」。ワクチン副反応の調査を担う厚労省研究班の代表、伊藤澄信・順天堂大客員教授は、副反応検討部会で率直にそう述べた。モデルナの調査は自衛官を中心に行った。2回接種後、4割が「仕事にならない状況」だったという。
新型コロナウイルスの急激な感染拡大が続く中、東京都医師会の尾崎治夫会長(69)が本紙のインタビューに応じた。「医師会として病院、診療所が一丸となり、コロナ診療に全力であたっている」とした上で、政府のコロナ対策や国会での与野党の議論を「もっとやることがあるはずだ」と指摘。東京五輪が感染増に影響したとの見方を示し、24日に開幕するパラリンピックについては「このような感染状況では無理だと思う」と開催に疑問を呈した。(聞き手・松尾博史)
新型コロナウイルス患者の入院対象を重症者らに限定する政府方針に対して4日、与野党から撤回を求める声が一斉に上がった。病床逼迫(ひっぱく)を回避するため、政府は重症化リスクが低いとされる患者の自宅療養を主流にしたい考え。だが、重症化するかどうかの判断は医師でも難しく、自宅療養の患者の命を危険にさらす懸念はぬぐえない。十分な説明がないままの急な方針転換だけに、見直しを迫られる可能性もある。(大野暢子、市川千晴、生島章弘) 「デルタ株は大変な脅威だ。入院しなければならない人が入院できる対応ということを理解してほしい」 田村憲久厚生労働相は4日の衆院厚労委員会で、入院制限は必要な措置だと強調した。 もともと、ワクチン接種が進んで感染状況が落ち着けば、コロナ患者も季節性インフルエンザのように自宅療養を基本にするというのが政府の既定路線。暮らしや経済を日常に近づけるためで、官邸幹部は「患者の多くは若い
無断で外出したが「抜け出してはいない」、食品ロスは生じているが、「廃棄ではない」―。東京五輪で運営の不備を追求する報道陣に対し、東京五輪・パラリンピック組織委員会が理解しづらい解釈や定義を用いて反論を繰り返している。インターネットでは論点をずらして逃げる、安倍晋三前首相の「ご飯論法」と重ね合わせる声も。批判を正面から受け止めず、自己防衛に終始する姿勢に国民の不安や疑問は置いてきぼりだ。(原田遼) 組織委員会は大会中、毎日午前11時に定例会見を実施し、広報担当の高谷正哲スポークスパーソンが報道陣の質問に答える。しかし、新型コロナウイルス対策や運営の不備についての質問には「現在、把握できていない」と回答を保留するケースも目立つ。その場合、数時間後に各社の担当者に高谷氏からメールで回答などが配信されるが、質問に答えていないと報道陣に不評だ。
東京五輪で日本選手の活躍が続く中、都内での新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。東京の新規感染者は31日、4058人で最多を更新。都は感染者の半数を占める20代や30代、重症者が多い50代を中心に外出自粛などの呼び掛けを強める。しかし、週末夜の新橋ではサラリーマンらが五輪中継を見ながらグラスにビールを注ぎ、休日の原宿は大勢の若者たちでにぎわっていた。(米田怜央、山口登史)
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が30日、東京都内でインタビューに応じ、日本勢の活躍で東京五輪に対して国民感情が好転したとの見方を示し「視聴率などの数字は国民が本当に感じていることを物語っている」と前向きに述べた。 開幕前には被爆地広島を訪れて平和への貢献を訴えた。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大後、「初めて世界が一堂に会し、共に祝うのがこの五輪だ。希望の象徴であり、世界が切望していること。パンデミック(世界的大流行)や政治的対立、侵略、分断といったニュースや懸念がある中で、五輪が希望と連帯のメッセージを届ける」と訴えた。 大会前半を「コロナ対策やワクチン接種の世界的な取り組みの結果、非常に満足できるものになった」と評価。体操女子のシモーン・バイルス(米国)が精神的ストレスを理由に棄権したことを「パンデミックでは心の健康が大きな課題だ。(告白は)勇気のあることだ」と受け止め
五輪をめぐっては、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が29日の国会で、感染拡大を進める要因として「夏休み、お盆、さらにオリンピック」と列挙し、東京五輪の開催が人出の増加に影響しているとの懸念を指摘している。 会見では、記者が、尾身氏の発言や実際に競技場周辺に人が集まっていることへの見解を尋ねた。これに対し、小池氏は「このところ(テレビの)視聴率が20%を稼げるコンテンツはなかなかない。実際に(五輪が)20%を超える視聴率を上げていることは、テレビでご覧になっていることを示し、ステイホームにつながっている。ですからオリンピックはそういう意味でステイホームに一役買っているし、またそれが選手への声援にもつながっていると思う」と強調した。 さらに「会場の周りに(観客が)おられるといっても、そう何万人といるわけではないと思う。数えてください。そういうことでオリンピックは皆さんに閉塞
新型コロナウイルスの東京都内の新規感染者数が2日連続で最多を更新し、初めて3000人を超えた28日夕、小池百合子知事は報道陣に対し、「不要不急の外出を控えて。皆さんの力を得て抑え込んでいきたい」などと述べるにとどまり、約30秒で取材対応を打ち切った。 正式発表前ながら、3000人超の見通しが報じられていた午後4時半ごろ、退庁時に取材に応じたが、右手の人さし指を立て「質問は1問だけ」と報道陣に通告。感染状況についての質問に、冒頭のように答えただけで立ち去った。 感染者数が2800人を超えた27日も、午後3時ごろに退庁する際、「失礼します」と言うだけで取材に応じなかった。「安全、安心」を掲げる東京五輪の会期中に感染状況が悪化する中で、積極的な発信は影を潜めている。
菅義偉首相は28日、新型コロナウイルスの全国的な感染急拡大を受けて、西村康稔経済再生担当相、田村憲久厚生労働相ら関係閣僚と行った協議内容について、記者団に説明しなかった。この日は、東京都で確認された新規感染者が初めて3000人を超えたが、官邸側は「本日はお答えする内容がない」(首相秘書官)として、首相の取材対応を拒否した。
1964年の東京五輪の開会式を見て、当時の国内の著名作家たちは、さまざまな文章をつづり、記録し、表現した。そして2021年の東京五輪は―。作家の中村文則さん(43)に、23日夜の開会式を見た後で、寄稿してもらった。 なかむら・ふみのり 作家。1977年、愛知県生まれ。福島大卒。2002年に「銃」で新潮新人賞を受賞しデビュー。05年、「土の中の子供」で芥川賞。20年、中日文化賞。主な著書に「掏摸(スリ)」(大江健三郎賞)「教団X」「逃亡者」など。東京都在住。
菅義偉首相が「先進国で最速」と豪語し、順調さをアピールする日本のワクチン接種。だが、単位と引き換えに募った五輪ボランティアの大学生には未接種、防衛省接種センターの予約は相変わらず勝手に消え、国から唐突に供給を止められた埼玉県知事は激怒。さらに不手際を指摘された河野太郎ワクチン担当相は逆ギレ反論する始末だ。「裏切り」が渦巻くワクチン接種は、今後どうなる。(大平樹、榊原崇仁)
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