エレノーラは生粋のお嬢様だ。お嬢様得点を付けるなら壱百万点は間違いない。 そんなお嬢様だからこそ、レベルを上げるべきだと思うのだ。ただのお嬢様では、怖い屋敷に潜入して生物兵器と戦うなんてできない。 さてさて、こんな具合にレベル上げ卿な私であるが、エレノーラを誘ったことはほぼ無い。レベルに関しては見境なしな自覚はあるので―― 「――不思議に思われる方もいるだろう」 「突然、不思議って言い出すのが不思議ですわ」 「すみません、びっくりしましたよね」 「慣れっこですわ」 この会話だと、私がボケでエレノーラがツッコミみたいな雰囲気が出てるけど、本来は逆である。 私の話をニコニコ聞いているお嬢様は、見た目だけ見れば勝ち気で自身家で高慢なのだが、中身は元気いっぱいで純粋無垢でアホアホなお人だ。 「エレノーラ様から私の奇行には慣れました……みたいに言われるのは納得いかないんですよね。パトリックとかから言