地方の“衰退”を食い止めるための大きなポイントの1つが、いかに地元の人材を流出させず、さらに別の地域からの移住・定住を増やせるか、だろう。実現策として、新たな産業をその地域に立ち上げて、若い人の働き場所を創出する方法も考えられる。 沖縄県では、数年前にアニメ産業を地元に立ち上げる試みが行われた。東京にあったアニメスタジオの誘致をはじめとして、他の県内外の企業と連携して、これまでになかった新たな産業、雇用を作る取り組みの一環だった。 地方に新たな産業を作ろうとした場合、もちろんさまざまな条件や工夫、配慮が必要になる。しかし一番重要なのは、「なぜその地域でやるべきなのか」というオーセンティシティ(真正性)かもしれない。地方での産業が盛り上がり、人材づくりにまで発展させるのは並大抵の努力のみならず、「そこ」でする必然性が必要だ。それらを考える上で、沖縄県のケースは1つの参考になるのではないか。