月刊『創』(つくる)の7月号マンガ・アニメ特集の取材で、この1カ月間、出版社やテレビ局を回って話を聞いた。マンガ・アニメ市場が急拡大し、出版界や映画・テレビ界が大きな取り組みを見せつつあることは多くの人が実感していると思うが、今起きていることは量的な拡大にとどまらず、大きな枠組みが変わりつつある。戦後のマンガの歴史に地殻変動が起きようとしていると言ってもよいと思う。 この記事の冒頭に掲げたのは、マンガ市場の量的拡大を示すグラフだが、周知のように日本の紙のマンガの売り上げは1990年代半ばがピークだった。『週刊少年ジャンプ』が635万部の部数を記録した時代だ。しかし、デジタルコミックの売れ行き増によって、紙とデジタルを合計した販売金額で見ると、3年前からかつてのマンガの黄金時代1995年の5864億円を既に現状は大幅に上回る6770億円となっているのが実情だ。 一気に増加したマンガへの新規参