電子書籍の登場で衰退イメージの強かった紙書籍だが、米国では今年は販売部数が増え、回復傾向を見せた。意外な書籍が販売の牽引役となったこと、また紙の本だけが持つ特徴が注目されたことで、出版業界に新たな流れが生まれている。紙vs電子の議論を海外メディアが考察している。 ◆紙の回復は本物か? ニールセン・ブックスキャンの調査によれば、全米で2015年に売れた紙書籍は5億7100万部で、2014年の5億5900万部から2%アップした(フォーブス誌)。カナダのナショナル・ポスト紙に意見を寄せたジャーナリストのコルビー・コッシュ氏は、電子書籍が横ばいなのに対し紙はまずまずの成績だったと評価。1冊当たりの販売価格は安定しており、紙の回復は割引の結果によるものではないとしている。 これに対し、フォーブス誌のメディア&テクノロジーのシニアライター、マシュー・イングラム氏は、紙書籍の復活は、電子書籍の価格上昇で